星を繋ぐ猫達 《第9章 ナタトリア》

今年は、目まぐるしく時が過ぎていきます。先月末に、瀬戸市で行われた、招き猫まつりのメインイベント「にっぽん招き猫100人展」出展させていただきました。四年ぶりの出展、楽しかったです。

作品の解説は、のちほどの記事で…

画像は、出展作品の一部分。描かれているのは、猫沢さんと愉快な仲間達です。

2枚目は、招き猫まつりのメイン展示物。巨大涅槃猫のオブジェです。

たいへん、お待たせいたしました。新しい章の始まりです~!

《第9章① ナタトリア 》

バミューダ海域の調査を終えた、猫沢さん達は、宇宙船の中のリビングで、ゴロゴロと、くつろいでいました。

別の調査をしていた、猫庭博士は、いつになく顔色が優れません…。

猫沢さんは、そんな猫庭博士を、気にかけます。

「猫庭博士、大丈夫ですか?」

「…はい…」

「どうしたんですか?」

「テラビト達の、ミトコンドリアが、急速に狂い始めています…」

猫庭博士の瞳に涙が溢れ、プルプルと震えています。

「急速に…?」

「はい、ストーンブロックの蓄積スピードが、以前より増してます。テラビト達の、ミトコンドリアのデータ破壊が、加速しています」

「加速してる?」

「私達が放ったカルカンは、ストーンブロックの蓄積の力に押されて、破壊されています…」

猫庭博士は、真っ赤な粉のような物が詰まった箱を見せました。

回収されたナノマシン達の残骸です…

「なんて事だ…」

「猫居博士に、カルカンよりも、強力なナノマシンを依頼しました。テラでのカルカナルは…私達の星の頃よりも、数倍の勢力を持っています…」

猫庭博士は、肉球で顔をおおいました。
 
そんな猫達の心配をよそに、地球人である作者達は、何も変わらない普通の日常を過ごしていました。

そう、何も変わらないように平和そのものに見えている、この世界…

明るい未来を夢見て…

地球人等は、目隠しをされたまま、自らの力で、力を封じ破壊する。カルカナル達は、そこから生まれたエネルギーを、嬉々として、吸収し、力を増幅している事を…誰も知らない…知らない…

「猫沢博士、現代のテラビト達が、いにしえの力を封じられている事も、優れた能力を持っていた記憶も、何もかも奪われ、幼い心のまま、生きています。このままでは…」

「猫庭博士、寅次郎博士が言っていたね。テラビト達が、どのような道を選んでも見守れと…私達に出来るのは、小さな風穴をあける事だと…」

「しかし、残酷です…私は、あの悪夢を、もう見たくはありません」 

「私もです…調査中に出会った、ナタトリアの民から「テラ自身も、テラビト達に、メッセージを送り続けている。共に生きる仲間として…しかし、テラの意識が彼等に届かぬよう、カルカナル達は様々な手段を使ってくる。それを見抜くのはテラビト自身…救いは、テラのメッセージを受けた者達の存在。微力だが、確かに動いている。彼等が、波紋のように、テラのメッセージを伝える、やがて、どこかで変化が起こるだろう」と、言っていました。時が満ちるのを、待ちましょう」

「あの彼等が、そう言っていたのですか!?」

猫庭博士の表情が、ぱぁっと明るくなりました。

「ナタトリアの民」とは…?





一方、猫の星では…?

イクサフィーゴ2代目シヴァの体に現れた、カルカナルの目は、猫達を、じっと睨み付けていました。

そこには、目玉の成長を阻止する、猫伊博士達の姿が…

そして、突如、街に設置された、古いブラウン管テレビにも似たモニターに映る、ロシアンブルーの可愛らしい少年猫の姿…

美しい歌声と、愛くるしい姿に、虜になる猫達が続出。と言う、もっぱらの噂が、地球調査員達の耳に入っていました。

彼の名は「ロドニア」

猫沢さんは、兄猫から、送られてきた、彼の映像を眺めつつ、珈琲に似た、苦めの飲み物「クロ・チャン」を、飲んでいました。

「猫沢博士!この子、ご存じなんですか?今、大人気なんですってね!かわいいですよね!」

アクア操縦士が、無邪気に、声をかけます。

「…そう、見えるかい?」

「え?」

「いや…確かにかわいいね…歌も、とても上手だ…」

猫沢さんは、無表情で、クロ・チャンを飲み干すと、リビングを後にし、アクア操縦士は、不思議に思いましたが、気のせいかしらと、ロドニアの曲が入ったチップをイヤホンに差し込み、業務に戻っていきました。


この様子を、作者は「ナタトリアの民」と「ロドニア」と言う存在の明細を知らないまま、飛び込んできた情報を、ひたすら、ここに記録として打ち込むのでした。

[つづく]

 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。

そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)

2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。

猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)     

個展連動SF猫物語[幻想の魚の秘密]シリーズ

東京 高円寺 猫雑貨&ぎゃらりー猫の額さんで、展開している。オリジナルSF猫物語を更新しています。

0コメント

  • 1000 / 1000