福ねこ屋.猫絵師ちさと

ご訪問ありがとうございます。猫絵作家の『ちさと』です。岐阜を中心に作品展やイベント参加しています。

2004年より、ギャラリーディマーシュにて初個展と同時に本格的に猫作家として活動を開始

地元数店のお店にポストカード等委託開始

毎年、数回の個展や、グループ展を地元ギャラリーにて参加や開催

だいたい毎年、名古屋クリエイターズマーケット出展

岐阜県多治見市の酒蔵「三千盛」蔵開きイベントにて、ライブペイント

岐阜県東白川村「森の美術展」出展(屋外、森林にて展示)

2011年、2012年 愛知県瀬戸

記事一覧(105)

星を繋ぐ猫達 《第9章⑪ 橋渡しの民達…》

2019年♪すっかり明けましておめでとうございます。本年も、よろしくお願いいたします。新たな展開に胸を踊らせ、物語は進みます。画像は、昨年製作した「百喜夜光 ◇ひゃっきやこう◇」神仏バージョンを拡大したものです。楽しそうに練り歩く神々達。2019年も、よき事に導かれますように。では、続きを、お楽しみ下さい。《第9章⑪ 橋渡しの民達…》ここからは、猫沢さんの報告書を元に作成された、橋渡しの民達の、公開可能な情報を紹介します。[ 翌日の午後、寅次郎博士率いる[橋渡しの民]と、猫沢博士と猫谷エンジニア、Σ達は、千寿氏の自宅へ向かいます。広間に通されると、30代後半位の男性と、20代なかば位の女性が、待っていました。初めて会う[橋渡しの民]と名乗る二人に、寅次郎博士達は、世間一般的な自己紹介を済ませると、故郷星言語での挨拶をしました。すると、同じ言語で、返事が返ってきました。5人は、手に手を取り合い、再会の喜びを噛み締めると、緊張が、ほどけたのか、二人は、出された茶菓子を頬張ります。女性の名は、[神原 宙(かみはら そら)]彼女は、ここでは一番最年少。生まれた時から[橋渡しの民]の記憶を保ち育ってきたと言うのです。黒髪のセミロング、少しレトロな、花柄のワンピースが印象的です。彼女の話を聞いた時、寅次郎博士は、この辺りの年代(平成初期生まれ)の[橋渡しの民]達は、寅次郎博士や門田さん達(昭和初期生まれ)の人間よりも、記憶を保持したまま生まれ育つ率が増え[命綱]なしでも、覚醒する事ができる者が増えていくだろう。と、先代の調査日誌に書かれていた事を、思い出しました。彼自身も、幼い頃、星の猫達の事を覚えていて、会いに来てくれるのを、ずっと待っていたのですが、世間の波や常識に飲み込まれ、すっかり忘れてしまっていました。カルカナルの圧力は、彼等の記憶や使命、言動等を封じる為、大量のストーンブロックを投入し、あらゆる手段で、能力を使えないようにされてしまう事も多く[遭難]させてしまうのです。彼女のように、クリアなまま覚醒、生存する事は難しい。と、幸い、両親が彼女の一風変わった言動も、自然に受けとめ、時には、世間に溶け込めるようにと、訓練してくれたお陰で、ごく普通の女性として社会人として、過ごしてきました。そして、なんと、単独で、任務をこなしていたのです。もう一人の、30代後半位の男性は、[風谷 翔大(かざや しょうた)]千寿氏の、研究仲間の後輩。彼は、綺麗なストレートロングヘアーで、整った顔立ち、どこか浮世離れした雰囲気、今まで、かなり変わり者扱いされてきたようで、少々卑屈で、取っつきにくい印象です。ですが、この時とばかりは、髪をキッチリ束ね、普段、半分ほど隠していた顔を出し、新調した眼鏡をかけ、身なりを整えてきました。彼は、つい3年ほど前に、[橋渡しの民]として覚醒。幼い頃から、断片的に見ていた夢が、ここ数年、ハッキリとした形で見え始め、夢の中に現れた人物が、レクチャーしてくれたのだと言うのです。その人物は[命綱]としての役割を持つ地球外生命体。彼は、一時期、自分の頭が、おかしくなってしまったのではないか?と、混乱しましたが、夢の中の人物が「アナタがおかしくなったのではない、思い出しなさい」と、懸命に伝え、1年前の今日、ソラと、出会い、完全覚醒をしました。デコボココンビの二人は、もう一人のメンバーを探そうと、試行錯誤しながら、ようやく、ここにたどり着いたのです。同時に、サリーが、その一人である事が分かり、3人は、地球での再会を、喜びました。「3人共、良かったなぁ…」門田さんと、寅次郎博士は、涙する3人を、優しく見つめました。ソラが、寅次郎博士の後ろで、ひっそり様子を見ていた猫沢博士達の存在に、ようやく気づきました。「この方達は、どこから来たんですか!?」「シリウス系の星だよ」寅次郎博士は、にこやかに答えると、猫達は、ゾロゾロと姿を現します。「始めまして、私達は、カンタスカラーナから来ました。寅次郎博士のサポートをしています」猫達は、揃ってペコリとお辞儀すると、次に、猫谷エンジニアが、共通宇宙言語で、簡単な紹介をしました。この言語は、イメージも一緒に送信出来るので、二人の頭の中に、猫の星の様子や位置情報が、伝える事が出来る、たいへん便利なツールです。「素敵な星ですね!昔、任務で行った星に似てます。兎型の人達がいました」ソラは、目を輝かせています。「兎型…?プロミアウス星ですね!あの星の民族達は、とても、知的で華やかで素敵ですね」猫沢博士は、ニコニコしながら、答えます。どうやら、猫の星と交流がある星のようです。「はい!」ソラは、満面の笑み今まで、ずっと、地球人の気配を、まとい過ごしてきて、宇宙の会話など、まともに出来なかったのですから…すると、もう一人、気配がしました。振り返ると、光に包まれた暖かなヒューマノイド型の姿。翔大は、驚きました。「レイミー!」彼等を、ここまで連れてきた、彼の[命綱]の生命体。(ハジメマシテ、ワタシは、シナウダル星のレイミーです。コノヒガクルのを、マッテイマシタ)まるで、日だまりのような、優しい声、彼だか彼女だか定かではないレイミー、微笑んだかと思うと、姿を消してしました。この世界では、周波数が荒く狭い為、実体化するのは、非常に難しいらしく、一瞬だけ現すことが出来たようです。人間の肉眼では、姿は見えませんが、確かにソコにいます。猫達の眼には見えているのです。そして、ソラには[命綱]は、いません。彼女の場合は、特殊な家系の地球人家族を選び、その母親の胎内に飛び込んだのです。サリーも同様[命綱]は、いません。ソラと同じように、自力で覚醒しました。ただ、母親の胎内に飛び込んだ時、うっかり性別を間違えてしまった為、成長後に希望の性別に作り替えたと言う、逸話があります。実は、門田さんにも[命綱]は、存在しています。彼は、画家ですから、サポート達は、彼のキャンバスの中の世界。描き上げて来た作品達が、交信手段でしたが、なかなか通じず、寅次郎博士に出会うまで、半覚醒状態で、完全覚醒出来なかったのです…。[橋渡しの民]達は、多くのトラップやブロックを破り、思い出すのです。こんな、めんどくさい手段で、人間の姿として肉体を持ち、任務をこなすのは、意味があるのか…?それは、なぜなのか?謎に満ちた[橋渡しの民]達…私達、カンタスカラーナの民は、彼等と共に、テラの運命を見守る…]これにて、猫沢さんの報告一部公開を、終了します。彼等は、カルカナルが放つ、ストーンブロックと言う謎の物質が、私達、人間の体内に悪影響を与えている事で、起きている問題を解決するために、ここに来たのだと言います。見えないストーンブロックの蓄積。それによって、地球のコアも、宇宙の声も、受信出来なくなってしまった地球人達。一見、別に、受信出来なくとも、支障のないように思うのですが…彼等からしたら大変な問題。現に、猫の星が、大きな影響を受けているのですから…そして、刻々と進む、自覚なきミトコンドリアの破壊。「支障ないなんて、呑気な事を言ってる場合ではない。事態は深刻です!」と、猫沢さんにお叱りをうけたばかり。警笛を鳴らされました。理解不能とも言える、調査記録を、物語形式の文章に作り替えつつ、悩む作者に、猫沢さんは、言いました。「迷わず、皆とは逆の道を進みなさい」どういう意味なのか…?そして、時は流れ、2015年が終わりを告げ、2016年を迎えた作者は、次の、個展の準備を進めようとした頃。日常生活で、ただならぬ、異変に気づいたのです。とても、嫌な予感がする…と…[第9章 終]お疲れさまでした。第9章で、橋渡しの民達の現地再会を果たし、次なる、ステージに行きます。今後の彼等の活躍にご期待ください。次の章は、猫沢さん目線でお送りする。作者の食生活レポートです。2016年の頃を、遡ります。おたのしみに♪ (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   原画やポストカードは、こちらのギャラリーで、好評発売中です。↓

星を繋ぐ猫達 《第9章⑩ テラの声》

もう間もなく新年カウントダウン、平成最後の大晦日が、近づいて来ます。いかが、お過ごしでしょうか?画像は、つい先日、仕上げた作品、「寅次郎博士とアルハンゲル」です。画材は、顔彩絵具、水性顔料マーカー、コピックです。数年ぶりに、筆を使って描きました。普段は、マーカーなので、キッチリした着色ですが、ぼかしや、にじみを使った作品は、久しぶりに描きます。この作品は、来年7月の個展にて展示予定です。では、続きをお楽しみください。《第9章⑩ テラの声》 花音(かのん)さんの、懸命な処置のお陰で、命の危機を回避した寅次郎博士、すっかり元の年齢の姿に戻ってしまいましたが、とても体調も良く元気です。 「花音さん、よっちゃん、はっちゃん、もう大丈夫だよ。ありがとう」 寅次郎博士は、お礼に、手作りのカリカリを、Σ達には、光の輪っかのような、何かを渡しました。 「良かったです。あなたのいたグランティオスは、リラの人達が、生まれ変わり移り住んだ場所だったのですね…」 「そう、我々は、数々の星を点々としながら、地球に辿り着いた。グランティオスの他にも、この地球上には、幾度となく文明を築き上げては滅んでいった…これで何度目だろう?何百回…いや何千回だ!?…私達は、何度、同じ事を、繰り返したら、気が済むんだろうな…はははは…」 博士は、遠い遠い目をして笑いました。 「私達の星も、その中のひとつなのですね…」 「あぁ…」 博士は、手のひらに現れた、美しい神聖幾何学の球体を転がしながら、 「ほとんどの地球人達は、もう、この模様の意味も使い方すらも、すっかり忘れてしまった…」数個に分かれた幾何学球体を、ジャグリングするように、見せてくれる寅次郎博士、猫達は、球体を、くるくると、目で追いかけます。 「この模様達は、私達の星にも存在します。テラの古代遺跡等に、数多く刻まれていますね。今、これを理解出来るテラビト達は、ほとんどいないと、猫沢博士は言っていました…」 美しく回転する、幾何学球体に、花音さんは、ついつい、ちょいちょいと、じゃれるように触れながら、言いました。 「単なるオカルトティックな、まじないか、御守り程度の認識しかない。理解できる者が居たとしても、ほんのごく一部の人間か、先住民族の子孫あたりさ…。このカルカナル世界で生きる人間達に、テラの声、宇宙の声すらも、届かない…」 博士の声は、切なげです。「あなたは、そこに、風穴を開けに来た!」  Σ達が、光る輪っかをクルクル回し、遊びながら、元気に答えました。 「ここには、私の他にも、[橋渡しの民]はいる。彼等は、人間達に、何度も何度も、語りかけているんだよ…」  「寅次郎博士!テラに遊びに来た宇宙人達も、テラビトになって生きてるって聞いたよ!」ΣS‐8が、無邪気に言います。「あぁ、たくさんいるね。この星は、稀に見る。重く粗い物質世界、肉体を持たない生命体にとっては、素晴らしい世界、遊園地さ。そして、この星に人間として生まれるには、激しい争奪戦が繰り広げられている。しかし皆、ここに来た目的を忘れ…調和は乱れ、ひずみの中に居る事に、全く気がつかない…私とて…遭難者だ」博士は、苦笑いして言います。彼の言う地球での[遭難者]と言うのは、ひずみの中に入ってしまうと、この星に来る前の記憶を失い、普通の人生を歩んでしまう事。[橋渡しの民]にとって記憶の欠落は、任務遂行不可能者であり「遭難」を、意味するのです。彼は、それを見込んで、猫の星の民に命綱を預け、地球にやって来たのです。「現在、テラの周波数は、どんどん上昇しています。そして宇宙からの、強い周波数の波が注ぎ込み、テラビトの心体に変化が起きています」Σ-41は、静かに伝えると、「恐らく、カルカナル達は、地球人達が、それらの周波数を受信出来ないよう、仕掛けてくるだろう…」「ストーンブロックの蓄積ですね。多くのテラビトの脳の一部は、石灰化して、アンテナとしての受信不能。他の器官にも蓄積されて除去不能、ミトコンドリアの破損が加速しています。それがここ、ヒノモトの民に集中してます」Σ-41は、膨大な地球人達のデータを、空間上に、パッと映しました。「ひどいもんだな…これじゃ、目隠しされたも同然だ…解ってはいたが、改めて可視化されると落ち込むなぁ…医者ん時は、こんなの[普通]の現象だと思ってたからな…」深く、ため息をつくと、あの頃の自分の姿が、脳裏によみがえりました。「普通と思わされていたんですね…」「あぁ…大半の人間はそうさ。造られた[普通]の世界が本物だと思っている。いつも、この話題で、仲間達と話し合っては、堂々巡りになってグッタリさ…」博士は、刻々と、リミットが近づくホログラムボディーを眺めつつ、頭を抱えました。「諦めないで下さい。カンタスカラーナと同じ道に進みましょう」花音さんは、入れたての、クロ・チャンを、手に渡しました。突然、屋敷猫のアルハンゲルが、スマホをくわえて、部屋に入ってきました。受けとると、何件かメッセージが…その中に、「あ、千寿さんからだ。なになに、明日、例の[橋渡しの民]の仲間が来るって?」「また、一人増えるんですね!!」猫達は、大喜びです。「二人も来るって…?おいおい」博士は、驚くばかり。新しいメンバーの出現で、大喜びです一体、何が起きるのか?[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

星を繋ぐ猫達 《第9章⑨ ナタトリアトラップ》

寒い日が続きますね。更新お待たせしました。朝起きるのが辛い季節です。皆様も、気をつけてお過ごしください。画像は、2つk17年度、個展作品。お馴染みの猫沢さんとΣ-41(よっちゃん)とさいS‐8(はっちゃん)です。では、続きをお楽しみください。《第9章⑨ ナタトリアトラップ》船の中の、ダイニングルームの窓際で、独り、海中を見つめる寅次郎博士、花音さんが出してくれた、クロ・チャンを飲んでいます。味は、珈琲によく似ているため、抵抗なく飲むことができ、香り高くて美味しいと、二杯目のおかわりを、注いでもらったばかり…「寅次郎博士、私達は、開いてはいけない箱を開けてしまったのかもしれません…封印していた、あなたの悲しい過去を見てしまいました…」「そんな事はないよ。これは、私自身が受け入れなくてはいけない事柄なんだ…あえて「私」が、私に見せた光景なんだよ…」寅次郎博士は、申し訳なさげな表情の花音さんに、優しく微笑みかけました。寅次郎博士は、時折見える、記憶の欠片を思い出していました。苦痛を伴うのを覚悟して、淡々と…、見せられる映像を…花音さんは、寅次郎博士の隣で、ゴロゴロと喉を鳴らし、祈るように、そばに居ます。しばらく時間が経った頃、ようやく、彼の表情に、こわばりが消え、穏やかになりました。「ありがとう…」「疲れたでしょう?これを、食べてください」花音さんが、手渡したのは、沢山のナッツとドライフルーツをカカオ固めた、バーでした。「これは、テラの地で出来た物です。ナタトリアで消耗した細胞達を回復させて下さい。そして、テラのエネルギーを受け取って下さい」「細胞の回復?」「あなたのホログラムボディーは、一時的に時間を逆行させ、大きな負担がかかっています。船から降りた途端、急激に時間が正反対に動き出します。このバーを、1本づつゆっくり摂取し続けて下さい。」花音さんは、他のテラビトサンプル達用に作り置きしておいた物を、ごっそりクーラーボックスに詰め、持ってきました。「あ、ありがとう…しかし、多すぎないかな…?」すると、ふくふくと穏やかだった花音さんの表情の中に、厳しさが現れました。「…お伝えしにくい事だとは思うのですが…、あの方達は、再び、あなたを亡き者にしたかったようです…地上に戻った時に、急激な老化(反動)が、細胞達を襲い、あなたの体に後遺症が残るようプログラムされてました…。もし、あのまま、あの地に囚われ、王国復活計画の一員になっていたなら、この若さを保つ事が出来たでしょう…途中で逃げる事が出来たとしても、助からないように仕掛けたのですね…。到着したら、私も一緒に降ります。回復するまで、そばに居させて下さい」花音さんは、真剣な表情で、寅次郎博士を見つめました。彼女は、宇宙船クルー達の食事を作る調理師。同時に、猫達の体調管理もしているのです。顔色を見ただけで、猫達の体に何が起きているのか、何が必要なのか?と言うビジョンが、視えるのです。「分かった…ありがとう…。そう言う仕掛けか…相変わらず、手の込んだ事をしてくれる…」寅次郎博士は、手にしたバーを、一気に口に放り込もうとすると…!?「30回以上噛んでください!」花音さんは、まるで母親のような表情です。「え?」「一つ一つの細胞に行き渡るように、細かく砕いて消化液と混ぜて下さい。虎之助博士の頃、皆に、さんざん言ってらしたでしょ」寅次郎博士は、驚きと同時に、ジャッコ博士の事を、思い出しました。約20年前の彼が、地球人年齢50歳頃の時、カンタスカラーナから、やって来た、美しい女性科学者。彼女は、当初[橋渡しの民]として覚醒した、寅次郎博士と、任務を遂行する予定でした。ですが、記憶が戻っていない彼に、ジャッコ博士は、試行錯誤しながら記憶を取り戻させる努力をしてくれました。虎之助時代の、自分が書いた任務遂行日誌や、宇宙の理を、根気よく教えてくれたのです。その当時、ろくに噛まずに食事をしていた寅次郎博士を、さんざん注意してくれた日々を、思い出したのです。「あぁ、そうだった。咀嚼は、無敵の羽根を創る為の儀式だった…」寅次郎博士は、頬張った分を、ゆっくりと噛みしめました。「うまい…ありがとう…」「今のあなたは、プラナダの民ではないのです。あの時代には、戻ってはいけません…今を生きてください!」花音さんは、ふくよかな肉球で、寅次郎博士の手を握ります。食べ終えた頃、猫達は、少しづつダイニングルームに集まって来ました。海上の上空をゆっくりと飛ぶ、ニャンタープライズ号、行きの時よりも、ゆっくりしている事に気づいた寅次郎博士…「!?」なんと、宇宙船の窓に、オーロラが、見えたのです。猫達は、ニコニコしながら窓の外を眺めています。「美しい…始めて見た…」「アクア操縦士が、帰りに、テラ観光しようと言ってくれましてね。これから絶景をご案内します」猫沢さんは、満面の笑みで、寅次郎博士に言いました。「オーロラに向かって、祈りましょう」「え?」寅次郎博士は、きょとんとしました。「テラビトの歌で、オーロラが願いを叶えると言う歌を聴いたのですが…?それは、テラの古くからの言い伝えではないのですか?」「言い伝え?知らないな…。そんな歌があるのかい?ロマンチックだなぁ、祈りか、なるほど…」寅次郎博士は、微笑みました。どうやら、猫沢さんは、偶然、どこかで、その歌を耳にし、古くから伝わる民族音楽のようなものと思っていたようです。彼には、創り手のDNAに刻まれた太古からの記憶が、音楽と言う媒体を使い、実体化された「原初の光」だと感じていたのです。その美しい歌は、とても心に響いていたのです。皆は、美しいオーロラを見つめ、任務の成功を祈りました。「本当に美しい…この星に生まれて良かった…」寅次郎博士は、本当に本当に心の底から、発しました。「私は、この星に来たかったんだ…」思わず、涙が溢れました。「本当に…テラは、素晴らしい星ですね」Σ‐41が、そう言うと真っ直ぐに、寅次郎博士の顔を見つめます。41の頭の上に、ちょこんと座る、小型ロボット猫ΣS-8も一緒です。「虎之助博士は、この美しいテラが、とても過酷で危険な星だと知っていました。任務遂行が困難な星…。当時のあなたは、全てを理解していました。次の行き先こそ、テラだと決めたのです。大きなリスクを覚悟で、全てを私達に託しました。これからも、私達は全力で、あなたをサポートします」Σ達は、凛々しい表情で、寅次郎博士を見つめます。まるで、父親を見るような眼差しで…彼は、かつて、初代のΣ達を作った生みの親…(Σ-41とΣS‐8は、子孫の猫居豹之助博士が、虎之助博士の設計図を元に復元し、改良を加えました。特に肉球の質感に力を注ぎました)未来の星の世界から来た猫型ロボットは、元祖生みの親を助けに来た。そんな風にも、見えました。「ありがとう」「寅次郎博士、見てください!綺麗ですよ!」ミッシェルが、指差した先に、美しい光景が広がりました。ピンクの湖が…「なんだこりゃ…!?」「レトバ湖。高濃度の塩分と藻の色素で出来た湖です。カンタスカラーナにも、ここと、よく似た海があります」猫沢さんは、故郷星を思い出すと、笑顔で話しました。地球は、摩訶不思議、様々な表情をみせる。沢山の生物や、物質達が、生きている星。彼等の任務は、続きます。その頃、作者は、様々な、食生活を見直しながら、以前よりも元気になった筈なのに、体を構成する為の何かが足りない…何が足りないのか、さっぱり解らない!…と…原因不明の背中の痛みに耐えながら、日々を過ごしていました。[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

星を繋ぐ猫達 《第9章⑧ ナタトリアとプラナダ》

日に日に気温が下がっていきますね。最近、生姜入りの味噌汁に、はまっています。画像は、カンタスカラーナのイクサフィーゴです。初期の頃に描いた、猫沢さん、とても凛々しいですね。現在の2代目イクサフィーゴ、シヴァは、カルカナルにより、力を封じられた状態であり、猫の星の危機を表しています。2枚目は、初代イクサフィーゴ、シヴァと開発者、猫居虎之助博士(現在の寅次郎博士)では、続きをお楽しみください。《第9章⑧ ナタトリアとプラナダ》帰路に向かうニャンタープライズ号猫沢さんは、猫谷エンジニアに、問いかけます。「何故、分かったんだ?」「到着して、すぐに自己紹介してたろ?あの時の寅次郎博士とナタトリア達の間の空気が、歪んでいたんだよ。コネコピアの時は、まっすぐ澄んでいたが、寅次郎博士が、プラナダと言った瞬間に、亀裂が走ったんだよ。危ないと思ってな…博士の周りに部下を配置したんだ…」「あの時、彼を若返らせて、どうするつもりだったんだ?」「博士は、ああ見えて男前だ。ミスマが気に入ったんだろ?それに、当時の記憶も曖昧だし、能力も長けている。うまい事そそのかして、グランティオス建て直しの仲間に引き入れたかったんだろな」「しかし、今、グランティオス建て直しの計画に組み込まれては[橋渡しの民]の任務が出来なくなる…」「それじゃ、困ると思わないか?過去の亡霊に囚われて、未来を閉ざされるなんざ、馬鹿げてる」猫谷エンジニアは、珈琲に似た飲み物、クロ・チャンを、飲みつつ、ツマミのナッツを口に放り込みます。「最初の辺りの違和感は察する事は出来たが、彼等が、どう出るか分からなかった…。ともかく、ありがとう。私達は、ナタトリアの美しい建造物に目を奪わ過ぎて見逃すところだった…」猫沢さんは、猫谷エンジニアに、深く礼をしました。猫の星での普段の彼は、船の整備士、時々、猫沢さんの研究音源発表会の、音響管理係を勤めていて、ほんわかしたイメージを持っていますが、いざと言う時、とても頼りになる存在です。「伊達に、星のお巡りさんやってる訳じゃない。あんな事は、朝飯前だよ」猫谷エンジニアは、笑いました。「ところで、ナタトリアにいたイクサフィーゴ達の中に、彼は居なかったな…?」猫沢さんは、あの時、猫の星から、やって来たイクサフィーゴを、必死で探したのです。ですが、それらしき姿は見当たりませんでした。姿形は、似ているのですが、寅次郎博士が、連れてきたイクサフィーゴは、異なる周波数を放ち、筋肉質です。ナタトリアのイクサフィーゴ達は、優雅に泳ぐ、金の錦鯉のような、しなやかな姿をし、極め細かな周波数を放っていました…「いなかったな…」二人は、深いため息をつきました…。「彼等は、戦士だと言っていたな。私達は、単なる無機質な生物だと思っていた…彼等は、私達に無償のエネルギーを与えてくれていたのだな…」猫谷エンジニアは、そう言うと、少し離れた窓際で佇む、寅次郎博士に目をやると、通り越して、虚空を見上げ、遥か遠くの故郷星で、カルカナルから、猫達を護る姿を思い出していました。二人は、思わず…「あぁ…目から、塩水が…」こんな時、猫庭博士なら、バスタオルで、顔を覆っている事でしょう…。「だが、彼等と遭遇した事は、全く無駄じゃない、貴重なテラのコアとコンタクトが取れた。そして、俺達の星との繋がりの謎が見えてきた。気を取り直して、イクサフィーゴを探そう…」「あぁ…」二人は、そっと、お互いの自室に戻りました。その頃、猫庭博士は、自室で、バスタオルで顔をおおっていました。隣には、猫沢さんの助手のロボット猫、Σー41の姿が…「よっちゃん…せっかく廻り会えたのに、こんな別れ、悲しいですね…」「悲しくはありませんよ。再び、手を取り合う未来への道が、開かれたのですよ」Σは、優しく、猫庭博士をなだめました。Σは、人工知能を搭載しプログラミングされた存在ではありますが、彼を、開発した猫居博士は、カンタスカラーナの知識の他に、移住以前の記録、はたまた、遥か遠くの猫達の歴史を、遺伝子のようにプログラミングしている為、あらゆる物事に対して、冷静に見つめ分析する事が、出来るのです。猫沢さん達の、質問や疑問に即座に答えられるように、作られているのです。「大丈夫です。遥か遠くの私達の故郷からのメッセージを、受け取る事が出来たのですから…」「ですが、テラビト達は、閉ざしたままです。あのメッセージを受け取ったテラビト達は、いるのでしょうか…?」Σは、少々困った顔をして…「…いるには、いるのですよ。かなりの人数が確認されているのですが、メッセージを受け取り、価値観がガラリと変わってしまったテラビト達が、堂々と表立って生きていく事は、難しいのですよ…。幼き心のテラビト達の奇異の視線や言動に堪えられず、心閉ざしてしまうと言うデータが、出ているのです…」「そうなんですか!!」再び、猫庭博士の目に、大粒の涙が溢れました。古代文明グランティオス王国…鍵を握る寅次郎博士、イクサフィーゴの謎、共通の故郷リラ…数々の謎を秘め、船は、間もなく、寅次郎博士の自宅に、到着します。[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

星を繋ぐ猫達 《第9章⑦ リラのコア》

気づけば、もう師走、2018年も、残りわずかとなりました。急に寒くなりました。気を付けてお過ごしください。先日、作品製作祈願に行ってきた神社に、お礼のお参りに行ってきました。紅葉が綺麗でしたよ。画像は、作品「百喜夜光☆ひゃっきやこう☆」の一部分です。先頭を歩くのは、アクア操縦士、ドクター猫宮、ジャッコ博士、チャット博士、猫居博士、猫沢博士のお兄さん、その他大勢です。では、続きをお楽しみください。《第9章⑦ リラのコア》広い客間に招かれた猫達と寅次郎博士、美しい幾何学模様の装飾が施された室内は、ゴールドが基調となっています。猫達は、何故か懐かしく感じました。猫の星にも、似たような建築物や装飾が、各所にあるからです。特に、エネルギー供給イクサフィーゴを囲むように作られたゴールドの装飾は、ナタトリアと似ています。このシステムを開発した、虎之助博士のセンスや好みだと思っていた猫沢さん達、どうやら、グランティオス文明の名残のようです。そして、元プラナダの民である、寅次郎博士は、ゆったりとした特別仕様の腰掛けに案内されました、護衛の猫達も、彼に付かず離れず、そっと同席しました。「Mr.カザマ、これから、地上人間界の周波数を解きます。少しは楽になるでしょう。あなた方は、少し離れて見守っていてください」 ミスマは、寅次郎博士にドーム型のシールドを張りました。年老いた寅次郎博士のホログラムボディーを、悲しげに見つめ、地球上の借り物のボディーとはいえ、あまりにも傷み激しく、なんとも言えない気持ちになりました…。地上では、たかが70年で、これほど劣化してしまうのかと…光に包まれる事、数分後、すっかり若返った寅次郎がいました。年の頃は、30代前後の姿…髪の毛は白いまま…猫達は、驚きます。「一時的に、ホログラムボディーの細胞を活性化させ時間軸の概念を外しました。あなたは、ここにいる間だけ、この姿でいる事が出来ます。地上に戻れば、自然と元の姿に戻りますわ」鏡に映った自分の姿を、まじまじと見つめる寅次郎博士、知らぬ間に可動域が狭くなっていた関節は軟らかくなり、肌の艶がよみがえっていました。「地上に戻れば、元の姿か…なんだか浦島太郎みたいだな」寅次郎博士は、思わず、ふふっと笑いました。若返った寅次郎博士の姿を、猫達は、目を丸くして見つめていました。「猫沢、前々から思っていたんだが…」猫谷エンジニアが、猫沢さんに、コソッと話しかけます。「なんでしょう?」「お前の眉毛、寅次郎博士の眉毛にソックリだな」と、クスクスと肩を震わせながら笑っています。「似てません!」「そうかい?二人共、いい眉毛してるよ」変なツボに入ったのか、猫谷エンジニアは、肩を震わせていました。「変なヤツ…」猫沢さんは、眉をしかめながら、ソッポを向きました。大きなテーブルに、美しい器に盛られた綺麗なフルーツのような食べ物に、目が行く猫達それを見た、寅次郎博士「これは、[あの頃の私]が、好きだった物だ…」表情が、緩みかけた寅次郎博士に、「そうでしたか、よろしかったら召し上がっていただいても良いのですよ」ミスマは、微笑みました。思わず、手を伸ばそうとした寅次郎博士の手に、猫パンチをする猫谷エンジニア「寅次郎博士!ここの世界の食べ物を口にしてはいけません!皆も食べないで下さい!」キョトンとする寅次郎博士に、猫谷エンジニアは、キツく言い放ちました。「何故?」「地上に戻れなくなります!」その時、猫沢さんは、扇で隠れたミスマの口元が、一瞬、唇を噛み締めたかのように見え、目を疑いましたが、猫谷エンジニアの部下達の動きが、最初から慎重だった事にハッとしました。すると、猫谷エンジニアは、ツジンシ達に伝えたのです。「歓迎の席、お招き頂きまして、ありがとうございます。率直に伺います。あなた方が、私達をここに導いた理由を教えてください」鋭い眼光を放つ猫谷エンジニア、一瞬、端正な顔をひきつらせるツジンシ…「な、なかなか勘が鋭い方々ですね…。お答えします。グランティオスの復活です。私達は、長い間、海底に身を隠し過ごしてきました。地上に再び、王国を建て直す為、力を持った者達を集めているのです。あなた方にも協力していただきたいのです」それを聞いた、猫谷エンジニアは、ハッキリと…「お断りします。集めている?と言うことは、この世界に集められた者達が、多数居るのですね?しかし、今の地上は、あなた方のいた頃の周波数と全く異なります。耐えられないと思いますが?」猫谷エンジニアは、冷静さを保ち淡々と、話しています。彼は、猫の星を護る特殊任務を請け負うシークレットな存在。いつも黙々と、宇宙船やフラクラフトの整備士として働いています。その姿からは、想像出来ない凛とした姿に、猫達は、再び驚くのです。「大丈夫です。ほんの数百年後には、すっかり変わっていることでしょう」ツジンシは、手のひらに地球の映像を浮かせて、転がしました。「確かに、現在のテラの周波数は、変化し続けていますが、それは、あなた方の仕業ですか?」「いいえ、私達ではありません。地球のコアです。地球は、私達が地上で暮らしていた頃の周波数に戻ろうとしているのです」「地上人は、どうなるのですか?」「真理に導かれし選ばれた僅かの人間を残し、ほとんどが、沙汰されるでしょう」ツジンシは、目を細め、口角を、片方上げる仕草をしました。「沙汰…?皆を救わないのですか?」会話の間を縫うように、寅次郎博士は、思わず、口を開きました。「救う?何を言っているのです?あのように退化してしまった人間達が、この先も生きていけると思うのですか?何も知らずに滅ぶのを待つだけの人間達を…?」ミスマの、美しい顔に刻まれた醜い皺が現れたかと思うと、一瞬で消えてしまいました。それを見た猫達は、ゾッとしました。「あなたがたは、あの頃と全く変わっていないのですね…」寅次郎博士は、再びハッとしました。あの頃の記憶が、ほとんどない状態なのに、思わず口走ってしまった言葉を手で覆いました。「プラナダの民は、綺麗事など言っているから、生き残れなかったのでしょう」ミスマは、静かな冷笑と口調で、言い返します。「そちらこそ、妙な選民意識を振りかざし、勝手に振るい分け[人柱]として私達を差し出し、逃げ出したのでしょう?我々王族をも、死の淵に追い込んだあなた方が、現在も、生きていると知った時、どんな気持ちになったか…」寅次郎博士の瞳の奥は、怒りに満ちています。心の奥底に仕舞い込み、蓋をしていた想いが、表に現れたのです。途切れ途切れながらも、あの頃の記憶を、取り戻す彼は、過去の亡霊と化しています。「まずい…。猫沢、寅次郎博士の根っこの部分の意識が表面化し始めた。途切れていた時代の記憶まで、さかのぼってしまっては彼の[精神体]が、危険だ。止めなければ…」猫谷エンジニアは、暴走しかけた寅次郎博士を止めます。彼の額に、ある鉱物を押し当てると、一瞬で、元に戻り、落ち着きを取り戻しました。我に返った寅次郎博士は、キョトンとしています。「ツジンシ様、ミスマ様、今一度、考え直してみませんか?地上人共々融合した世界を創りましょう。我々が受け取ったテラのコアからのメッセージは「宇宙全体が、ひとつになる事」です。リラの時代の過ちを繰り返さない事です!」猫谷エンジニアは、キッと睨み付けるように言い放ちました。「戯れ言を…!」二人は、何かに取り憑かれたような、恐ろしい般若のような形相に…哀れにも、彼らもまた、過去の亡霊に操られているのです…猫谷エンジニアは、先程、寅次郎博士の額に当てた鉱物を、スッと二つに分け、二人の額に押し当てると、先程の穏やかな表情に戻り、猫達は、ホッとした表情になりました。落ち着きを取り戻したミスマは、猫達に語りかけます。「カンタスカラーナの民よ…あなた方もプラナダの民と同じなのですね…哀れです…これ以上引き留めておく理由はありません。お引き取りください…」ツジンシとミスマは、悲しそうな表情です。「あなた方、ナタトリアの民も、いずれ、テラのコア…いえ、リラのコアの真の心が、響く時が来るでしょう。再び力を合わせる時が来ます。その時まで、暫しのお別れです…」遠く長い年月をかけ、ようやく廻り会えた喜びも、つかの間、解り合えなかった哀しみを握り締め、お互い背を向けました。猫達は、席を外します。その時、ミッシェルが、二人の元にかけ寄りました。「本日は、お招き頂きありがとうございました。いつかまた、笑顔でお会いしたいです。私は…あなた方を信じています」そう言うと、スッと猫達の列に戻り手を降りました。寅次郎博士は、猫達に手を引かれながら、宇宙船に戻っていきます。乗り込んだ猫達の船は、赤い門の上を通過すると、美しかったナタトリアの景色は消え、物悲しい海底の姿が広がりました。寅次郎博士は、無言で、窓からの景色を眺めていました。宇宙船の中にいる間は、時空が異なる為、若さを保っています。そんな姿を見ていた、調査メンバーの女性宮司であり学者のターラ女史が、「ミスマ様は、寅次郎博士をナタトリアに引き留めたかったのね…」「なぜ、分かるんですか?」ミッシェルが、聞き返します。「そのうち分かるわよ。博士は全く気づいてないみたいだけどね」「ターラさん…私、あの人達が、悪い人ではないように思えます…」「この世界に、善いも悪いもないわ…」ターラ女史は、微笑みながら、自分の部屋に戻っていきました。宇宙船は、寅次郎博士の自宅を目指します。[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

星を繋ぐ猫達 《第9章⑥ 遥か遠く昔の…》

すっかり寒くなりました。日に日に気温が下がり、初雪もちらほら、いかがお過ごしでしょうか?10月に、北鎌倉古民家ミュージアムで開催された「招き猫100人展」に、出展させていただいた作品「百喜夜光☆ひゃっきやこう☆」が、会期中、売約済みとなり、ご縁のある方の元に行きました。ありがたいことです。大型作品が、売れる事は、滅多にないことで、売れた。と、聞いた時は驚きました。ありがとうございます。この作品は、たいへん縁起の良いものです。[百の喜び夜空に光輝く。皆に幸せが降り注ぐように…]と、描いた作品。画像は、瀬戸市の会場で展示された時のものです。猫沢さん達も、ちゃっかりいますよ♪そして、そして、お待たせしました。物語の続きをお楽しみください。《第9章⑥ 遥か遠く昔の…》海底都市ナタトリアそこは、不思議な空間、通常の狭き周波数の中で生存する、人間の網膜には映らない。人には、ただの瓦礫と化した残骸達が、墓石のように海底で佇んでいるようにしか見えない…そこに、重なるように存在する別次元に、都市は存在する。ツジンシと、ミスマは、黄金の幾何学模様の正装で現れ、この世の者とは思えぬ神々しさを纏っていました。幾何学模様の建築物が、建ち並ぶ景色何かに似ています。猫達は、既視感を抱きつつ、案内された場所に辿り着きました。「あ!」そこにあるのは、猫の星の象徴的な物と、よく似た光景でした。「これは…!?」大きな水槽のような建物の中に、泳ぐ、巨大な魚達…!「イクサフィーゴだ!」猫達は、口々に叫びました。「よく、ご存知ですね」ツジンシが、驚いた表情で、猫達を見ました。「はい、彼等は、星のシンボルです!私達を救ってくれました!」猫沢さんは、キラキラと輝いた表情で、答えました。他の猫達もウルウルしています。「彼等は戦士。宇宙に点在する生命体…同胞達を護る者…」「戦士?」猫達は、優雅に泳ぐ、イクサフィーゴ達を眺めていました。「そうです。とても勇敢な戦士です。彼等は、コネコピアの民と一緒だったのですか?」ツジンシは、不思議そうに質問します。「いいえ。私達の星「カンタスカラーナ」は、故郷を追われ集まった移民の星。私は、遥か昔の亡き惑星リラを故郷とする民族の末裔。昔、その血を引く者が、イクサフィーゴを引き連れ、星の危機を救いました」猫沢さんは、静かに答えました。彼は[東の猫の民]親友の猫伊豹之助と同じ民族です。つまり…かの虎之助博士(現在の寅次郎博士)もです。「あぁ…リラは…遥か昔の、私達の故郷。宇宙に散らばる仲間達に再び出会えた事に、感謝致します…」そう言うと、ミスマは、静かに頬を伝う涙を見せまいと、扇で顔を覆いました。なんと、不思議な廻り合わせ猫沢さんは、心配そうに、寅次郎博士を見ると、たいへん疲れている事に気づきました。それもそのはず、この世界の領域は、生身の人間が姿を保つことは、とても難しいのです。大きなエネルギーが必要なのです。覚醒したと言えども、齢70年と言う[時間の概念]が、邪魔をしているのです。猫達は、寅次郎博士に、そっとニャンタンを渡すと、みるみる顔色が良くなり、ホッとした顔つきで、もう大丈夫。と言うジェスチャーを送りました。それに気づいた、ミスマは、彼を休ませようと、皆を歓迎の席に案内しました。寅次郎博士の過去の中に存在する[プラナダの民]滅びの道を選び、方々に散らばった民族。[橋渡しの民]として、イクサフィーゴと行動を共にする彼は、一体、何者なのか…?謎は、深まるばかり…[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

星を繋ぐ猫達 《第9章⑤ 海底都市ナタトリア》

もう11月、あっという間に今年も終わろうとしています。6月の東京個展、9月の瀬戸招き猫まつり、アートマーケットにご来場くださいました方々、ありがとうございました。そしてポストカードや作品を、ご購入くださいました方々、ありがとうございました。さて、新しい章が始まり、意外な展開になって驚く作者ですが、それもそのはず…これは、小説の形をした、カンタスカラーナ星人、猫沢博士の指示のもと記録された、地球の姿を書きとどめている調査記録。作者は、ただの伝達係であることを、たまに忘れてしまうようです。画像は、猫沢さん達の使う、移動用小型船フラクラフトです。(この物語の、ポストカードや原画など、東京、高円寺にある、猫雑貨&猫ぎゃらりー 猫の額さんにて販売させて頂いています)では、物語の続きをお楽しみください。《第9章⑤ 海底都市ナタトリア》猫沢さん達は、宇宙船に、寅次郎博士を乗せ、バミューダ海域の海底地下にあると言う、ナタトリアの地を目指します。はじめて乗る、ニャンタープライズ号、実は、相当、大きな船。普段の猫沢さん達は、地球上に降りるとき、不思議な扉をくぐり、地球猫サイズに小型化しますが、宇宙船の中では、地球人と同じくらいのサイズに戻ります。寅次郎博士は、その扉を通過せずに、船内に入るよう案内されました。「なんと!君達は、こんなに大きかったのか…」同じくらいの身長になった猫達を見つめ、驚いた表情の寅次郎博士、「テラでは、本来のサイズのままでは、エネルギー消耗が激しいので、あえて、小型化して活動しています。この方が、小回りきいて動きやすいんです」猫沢さんは、ニコリと微笑むと、船内を案内しました。「この船は、カンタスカラーナの猫達の技術を集結して造られています」「ほう、素晴らしいな、久しぶりに、地球外の乗り物に乗ったよ。なんだか懐かしいなぁ…」寅次郎博士は、巨大なエンジンルームに案内され、珍しい形の機器類を、眺めていました。「あ、これは…?」そこには、グランティオスのマークが…「あ、それは、コネコピアの民のエンジニアが、取り付けてくれた部品ですね。猫達の持ち寄った技術が、分かるように、それぞれに、印が付けられています。これは、猫居グループと虎之助の印、つまり、虎之助発明のパーツです。見覚えありませんか?」「確かに!これは当時の私達が作った部品と同じだ…懐かしいな…」寅次郎博士は、カンタスカラーナ時代に、自身が作り上げた技術が、今の時代にも使われていることを知り、なんとも嬉しい気持ちになりました。猫達が使う、小型の乗り物[フラクラフト]の格納庫に案内された、寅次郎博士は、驚きます。「魚の形…これは、どうやって飛んでるんだい?」「これは、小型の浮遊石テフテフを組み込み、操縦席のコンタクトコードで、動かします。水陸両用で、時空間移動も出来るんですよ♪この機体は、様々な星の気圧に耐えられるよう作られています!」調査メンバー最年少でありながら、フラクラフトの開発者であり、猫谷エンジニアの助手の赤猫(あかね)君が、笑顔で答えました。「テフテフを…?こりゃたまげた。君が作ったのか、大したものだ!」寅次郎博士は、感心すると同時に心踊りました。地球での暮らしの中では、様々な制約や、狭い枠組みに押し込められた生活を、強いられ、危うく自分の任務を忘れてしまう位の、同調圧力的な空間に、70年近く身を置いていたため、すっかり地球人的な感覚に慣れていてしまったのですから…地球外の猫達との交流は、とても楽しいと、そして、ようやく任務を果たせると思うと、嬉しいのです。「まもなく、ナタトリアの領域に入ります」アクア操縦士から、連絡が入りますと、壁にスクリーンが現れ、外の様子が映し出されました。穏やかな海面が、広がります。ここが、魔のトライアングル?と、疑ってしまうような、美しい海、きらきらと太陽の光線に彩られる水面…渡された資料を見た作者は、面食らいました。もっと、おどろおどろしい暗い海を、想像していたのですから…「これから、海の中に潜ります」ニャンタープライズ号は、静かに水面に接触すると、虹色の光線に包まれながら、沈んでいきますと…?海底には、作者が、想像していた、暗く、物悲しい風景が広がりました。いつの時代かも分からない 帆船や客船、飛行機の残骸が、所々に点在しています。まるで、墓場のよう…そこに住む生物達は、ニャンタープライズ号に気づくと、大きな鯨でも見るように、船の回りを泳ぎ回ります。「まもなく、都市に入ります」突如現れた、竜宮城のような、真っ赤な門の上を通過すると、地上に戻ってきたのかと、錯覚するような、明るい空間が現れました。「なんと美しい…」寅次郎博士は、まばゆい光に包まれた、黄金色に輝く幾何学模様のような建築物に見とれていました。ここが、ナタトリアの民の都市…そこには、沢山の人々が、待っていたのです。到着を待っていた彼等は、正装らしき、変わった紋様の衣類を身に付けていました。寅次郎博士は、出発前に、身なりを調えスーツを着てきて良かったと、胸を撫で下ろしました。無事に到着し船から、降りてきた寅次郎博士と猫達を、ナタトリアの人達は、笑顔で迎えます。「ようこそ、ナタトリアへ!私は、この都市の代表の、ツジンシです」「私は、ミスマです」二人の代表者が、猫沢さんの肉球を、ふわりと握りました。「再び、お会いできて光栄です。今日は、あなた達にゆかりのある者達と一緒です」「コネコピアですか!!」「はい、それと、もう一人います」「もう一人…?」「はい」「初めまして、私は、コネコピアの子孫の、ミッシェルです。お会いできて光栄です」「あなたが、コネコピアの子孫ですか!お会いできて嬉しいです。地球へようこそ、そして…おかえりなさい」ミスマが、ミッシェルを優しく抱き締めました。思わず涙が溢れたミッシェルは、ミスマの優しい手に、ほおずりをしました。「お初にお目にかかります。私の名前は、風天寅次郎(かざま とらじろう)、かつて、グランティオス、プラナダで生きていた者です。現在は[橋渡しの民]として、地球に舞い戻り、暮らしています」ツジンシは、驚いた表情です。「…プラナダの民、ご無事でしたか…皆は、どうなりましたか?」「私達の民族は「あの時」全員、滅びてしまいました…私もそうです。魂だけになり、皆、バラバラになりました…」「そうでしたか…あなた方は、最後まで、民を護ろうとしてくださいました…私達は、無事に、この地に辿り着き、今に至ります」「…ご無事で良かったです」「…ありがとう…そして、申し訳なかった…」「謝らないで下さい…それが、私達の使命でしたから…」寅次郎博士は、意識せずにツラツラと出てくる自分の言葉に、驚きつつも、冷静を装います。そう、彼の記憶の中には、うすぼんやりとした、燃え盛るグランティオスと最後の自分の姿が、浮かぶ、靄が、かかったように断片的なイメージだけなのですから…そんな、寅次郎博士の異変に気づいた猫沢さんは、二人の間に入り、話を分断しました。「ツジンシ殿、ミスマ様、私達に見せたいものがあると言ってましたね?」猫沢さんは、そう言うと、寅次郎博士を、くるりと背を向かせ、後ろにいた、猫谷エンジニアが、手を引き、猫達の輪に連れ戻しました。「私は一体…?」ぼんやりする寅次郎博士を、猫達は、囁きました。「私達から離れないで下さいね」ツジンシは、いささか、博士の反応が気にかかりましたが、気を取り直し、「案内しましょう。着いてきてください」二人は、マントをひるがえし、歩き始めると、猫達は、後を追うように、寅次郎博士を守るように、歩き始めました。一体、どこに行くのでしょうか…?[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

星を繋ぐ猫達 《第9章④ グランティオス》

昼間暑く夜寒い、不可思議な気候が続きますが、お元気でしょうか?新しい章が、始まり、書いてる本人も驚く展開になってまいりました。この先、どうなるのでしょうか?画像は、2017年個展の様子と、猫の星の歌姫ミッシェルです。(この物語の、原画やポストカードなど、東京 高円寺 猫雑貨&猫ぎゃらりー猫の額さんにて、好評販売中です)では、物語の、続きをお楽しみください。《第9章④ グランティオス》猫沢さん達は、バミューダ海域の調査結果を報告しに、寅次郎博士の元に向かいました。調査メンバー全員も、一緒です。「ナタトリア…?彼等は、まだ存在していたのか?」寅次郎博士は、目を真ん丸にして驚いていました。「はい、ご存じなんですか?地下都市で、生き延びています」猫沢さんは、彼等の画像を、見せました。姿形は、現代の人に、よく似ていますが、何かが違う人達です。「彼等は、とうの昔に消えたと聞かされたが…」「歴史上からは、すでに抹消された民族のようですね…」「あぁ、そう言えば、あそこには大昔、現在の人類の歴史が始まる、ずっと大昔、グランティオス大陸が存在していたんだ…」寅次郎博士は、何かを思い出したように、話し出しました。「グランティオス…?アトランティスではなく?」「いや…そっちは、まだ新しい方だよ。それ以前さ、今よりも高度な科学が発達した文明だった。だが、長くは続かなかった…末裔が生きていたとは…」「彼等は、何故、歴史から抹消されたのですか?」「…[見えない戦]に負けたのさ、そして彼等の存在は、奴等にとって、都合が悪かったのさ…」「見えない戦…?奴等…?」猫沢さん達は、新たな情報に戸惑います。「グランティオスの時代は、今の文明とは全く異なる。彼等の科学技術が、伝わってしまってはマズイと、大陸に忍び込んで彼等の技術を盗み出し、悪用し滅ぼしてしまったんだよ…」「ナタトリアの民は、自滅した。と言っていましたが…」「すっかり奴等に取り込まれたんだよ」「寅次郎博士…やけにお詳しいですね?」「私は、当時、この地に生きていたんだ…」「[橋渡しの民]としてですか?」「…いや、[橋渡しの民]になる以前の「私」だ。グランティオス、中央地区プラナダの民だった…確かに私は、そこにいた…」なんと、寅次郎博士は、古代の地球に存在していたと、言うのです。それを聞いた、ミッシェルが、寅次郎博士の前に躍り出ました。美しい黒髪を持つ美少女猫。彼女の祖先は、昔、地球に住んでいたのです。「寅次郎博士!あ、あの!私の先祖は、グランティオス、コネコピアの子孫です!」「なんと…」「私達の祖先は、宇宙船でテラを脱出し星を転々として、カンタスカラーナに行き着きました!」「君は、あの、小さき賢者コネコピアの子孫…」寅次郎博士は、再び、驚きの表情を見せました。カンタスカラーナに、グランティオスの、血を引く者が居た事に…「はい!私達は、あの時、宇宙へ逃げた者、地底へ逃げた者、地上で生き延びた者が居ると、伝えられてきました…」ミッシェルは、グランティオスに伝わる紋様が入った、石のペンダントを見せました。「だから、彼等は、私達の事をコネコピアと呼んでいたのか!!」猫沢さんは、合点がいきました。彼等は、猫沢さん達が、ナタトリアの領域に入ってきた時、警戒するどころか、両手をひろげ駆け寄り、歓迎されたのです。事情を知らない猫沢さん達は、チンプンカンプンでしたので、こう説明したのです。「私達は、カンタスカラーナと言う星から来たものです。私達の星には、テラから来た者もいます」と、すると「その中に、私達の同郷の民族は、居ないか?」と聞かれたものの、「一度、詳しく調べてみます」と言って、別れてきたばかりなのですから…ミッシェルは、彼等の仲間だったのです。彼女は、代々伝わる、グランティオス時代の歌を、歌い始めました。透き通る美しい不思議な歌声は、現代の歌の音域や、発声、周波数とは、全く違います。寅次郎博士は、あの頃の記憶が、うっすら甦ってきました。[橋渡しの民]以前の「自分」に、再会したのです。「まさか、あのバミューダ海域が、私の過去を思い出させる事になるとは…私は、一体、何者だったのであろうか…?」寅次郎博士は、遠くを見つめます。壁の向こうを通過し、肉眼で見えない、遠い遠い時空を見つめます…。「寅次郎博士、ミッシェル、ナタトリアの民に会いに行きますか?」二人は、力強くうなずきました。「ところで、寅次郎博士、グランティオス大陸を滅ぼした「奴等」と言うのは…一体、何者なのでしょうか?」猫沢さんは、質問を投げかけると…寅次郎博士は、困った表情で…「…思い出せないんだ…」[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

星を繋ぐ猫達 《第9章③ ナタトリアからの伝言》

10月に入り、暑いのと寒いのが繰り返し、おまけに夏の猛暑で育たなかった庭の茗荷が、今頃になって、収穫できてしまうと言う…そして、そろそろ来年の個展の構想が浮かびはじめて来ました。さて、来年は、どんな作品達が出てくるのでしょう?本日の画像は、瀬戸市招き猫まつり「日本招き猫100人展」出展作品「百喜夜光>ひゃっきやこう<」上段の作品、神仏猫達の大行進です。いろんな国の神様達を猫で、表現しています。この作品は、10月13日(土)~28日(日)北鎌倉古民家ミュージアムにて巡回展でも展示されます。もし、お近くにお立ち寄りの際は、足をお運びくださいましたら幸いです。会場となるミュージアムは、とっても素敵な所ですよ~。では、続きをお楽しみください。《第9章③ ナタトリアからの伝言》猫沢さん達が、出会った、ナタトリアの民、彼等は、バミューダ海域の海底に住む民族であり、地球人達とは全く異なる環境に住む、価値観を持つ生命体。彼等は、大昔に、かつて、地上で栄えた、ある文明の末裔の一部の民族…高度な文明と科学を持ちながら、自らの力で、自らを滅ぼしてしまいました。生き残った彼等は、海底地下に都市を創り、地上の民を見守りながら、生きているのです。バミューダ海域付近で、起きた現象は、地球上に起こった磁場の変化の影響で、大きく時空が大きく歪んでいるのです。今まで、平穏だった海域が、異常に荒れ狂い、墜落事故や転覆事故、行方知れずの機体や船が増えた事、空路や海路がネジ曲がり…まるでバグったコンピューター画面のように映る衛星写真は、ある情報機関が記録しているにも関わらず、人類には、一切公開されず。小さな事故のニュースとして、取り上げられては、いつの間にか、煙のように消えている、と、言う現象が起きているのです。作者は、猫沢さんからの地球調査の記録を、受け取るのですが、驚くことも少なくありません。地球とは、どんな星であるかと説明されている、教科書で習った事とかけ離れているのですから…そんな私達を、ナタトリアの人達は、どう思っているのか…猫沢さんは、地上の地球人達に託した伝言を、持ち帰ってきました。そこには…あるメッセージが…「地球人達よ 耳を澄ませ 星と大地の声を聞け 原初の火を焚け 瞳の奥に眠る 凍てついた 炎を解き放て 心を研ぎ澄ませ 切り離された 己を救い出せ 血潮に刻まれし 太古の記憶を思い出せ」と言う、まるで、ファンタジー映画にでも出てくるような言葉達テラのコア…地球の意識体からのメッセージです。猫沢さんいわく、身の回りに溢れる様々な情報は、カルカナルからなのか、テラからなのか、見抜く力を身に付けよ。と言うのです。どうしたら良いのか?と質問すると、ストーンブロックが含まれる物質を、取り込まない事が、手っ取り早いと、答えてくれました。ですが、正直、完全に防ぐのは無理です。心折れます。と、返すと、ならば、ストーンブロックが、体内に入っても、すぐに外に出せる位の体を作りなさい。と…そう簡単に言うのですが、調べれば調べるほど、防ぎきれないように思えて、弱気になるレベルです。うなだれる作者に、猫庭博士が、ヒントをくれました。相変わらず天使のように可愛らしい猫庭博士、猫沢さんが、小さい頃に、猫庭博士の事を女の子だと勘違いしていたのも納得します。彼は、調査隊メンバーの中で、一際目立つ存在。過去の、カンタスカラーナの悲劇を、深く知る猫の一人なのですから…[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   

星を繋ぐ猫達 《第9章② 情報伝達員サンプル1号観察記録》

すっかり秋ですね。ちょうど3年前の今頃、私は、つくばのカフェGazioさんで、個展をさせていただいていました。とても貴重な体験と勉強をさせていただいたな。と、当時の事を、昨日のように思い出します。今は、お店は閉店し、ありませんが、また、つくばへ遊びにいきたいです。お声をかけてくださった、店長のyou1さんに、感謝いたします。では、続きを、お楽しみください。画像1は、2018年 にっぽん招き猫100人展出展作品「百喜夜光>ひゃっきやこう<」手ぬぐいサイズの額縁、各1枚の中に50匹ずつ合計100匹の猫達、上段は神仏猫達、下段は、カンタスカラーナの猫達が、描かれています。2枚目は、招き猫まつりのアートマーケットの様子です。3枚目は、ぐるっと3年さかのぼって2015年のGazio個展の様子です。《第9章② 情報伝達員サンプル1号観察記録》これは、猫沢さん目線からの作者の観察日誌からの抜粋です。「2015年の冬の日誌食事内容見直しと共に、ナノマシン「カルカン」による、ストーンブロック除去を開始し、しばらく経ったサンプル1号の体内は、効果が現れたのか、遠隔映像受信能力が向上、カンタスカラーナの状況を、かなり鮮明に、把握出来るようになってきた。この頃の、1号の食事内容は、沢山の緑黄色野菜をコンソメで味付けした、シンプルな野菜スープ、塩分も控えめ、出勤時は、おにぎりと、インスタント味噌汁である。…動物性タンパク質は、何かを意識しているのか、極めて少ない…以前の、レトルト食品や、菓子パン、清涼飲料水中心の食事と比べれば、ましになったと言える。この食事で、かなり、改善され、体が軽くなり、少々のハードワークもこなせるようになった。と、喜んでいたものの、顔色は蒼白く、勤務先では「疲れてる?大丈夫?」と、心配されているようだ。体重は、さほど変化はないが、顔のラインが、一回り小さくなった。行く先々で「痩せたね」と、言われるようになり上機嫌である。だが、ストーンブロック除去をする一方、蓄積スピードが上がり始めている事が、気がかりであった。1号に限った事ではない、テラビト全体に、影響を及ぼしているのだ。ここ数年のデータを見ると、テラビト達、特にヒノモトの民族のストーンブロック蓄積量が、増えているのである。寅次郎博士が、言うには、ストーンブロックが、一定の量が蓄積されると、あらかじめセットされていた、ミトコンドリア破壊プログラムが作動し、次々と、テラビト達が、様々な形で、壊れていくのだ…。この現象は、更に加速して、近い未来に、あらかさまに具現化されるだろう…。過去のカンタスカラーナの悲劇が、再び、テラで繰り返される…。これは、テラビトに課せられた、巧妙かつ難題な「カルカナルからの挑戦状」なのである。と、寅次郎博士は、説明してくれた。博士と話をしていて、私の中に、ふと疑問が湧いた「カルカナルからの挑戦状」と言う言葉。 そして、現在のカンタスカラーナでは「カルカナルからの課題」カルカナルとは、一体何なのであろう?何者だろうか?と…話が、それてしまった。1号は、一部、回復した機能を手にいれた一方、先客の丸猫型生命体との、コンタクトコードが、カルカナルによって、切断された状態になってしまった。(2015年10月の、つくばでの展示の後、気が抜けた時、隙を突かれたようだ)この先、影響が出てしまう事は、明白である。丸型猫達が、不在となった分、ガードが弱くなったのだ。細心の注意が必要である。既に、私の頭の中に浮かぶ、少し先のビジョンには、1号が、どこかの地面に叩きつけられる姿が、映っているが、この現象を、最小に抑える策を考えなくてはいけない…1号は、現在の食事内容で、改善できると思っているようだが、いまだ続く、謎の痛みに、のたうち回っている。これは、なんらかの刺激物が、内臓を荒らしているのではないかと思われる。この物質が、なにか解明できれば、解決策は見つかるのではないか。1号には、自力で見つけて貰いたい。」今回の、猫沢さんの、サンプル1号観察記録転載は、ここまでです。この頃、内臓が、刺激物の影響を受けている。と言うのが、初耳の作者は、心当たりはないかと模索し始めました。確かに、ある程度、効果は出ていたのですが、実のところ、まだ、不快な、慢性疲労と、頭痛、逆流性食道炎、気管支の引っ掛かり感、刺すような、激しい背中の痛み等が、続いているのです。当時の、まだ、ぼんやりと靄のかかった頭の中では、思考がまとまらず、追求の力が奪われる作者に、猫沢さん達は、わずかなヒントを投げ掛け、静かに見守っていました。[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)     

星を繋ぐ猫達 《第9章 ナタトリア》

今年は、目まぐるしく時が過ぎていきます。先月末に、瀬戸市で行われた、招き猫まつりのメインイベント「にっぽん招き猫100人展」出展させていただきました。四年ぶりの出展、楽しかったです。作品の解説は、のちほどの記事で…画像は、出展作品の一部分。描かれているのは、猫沢さんと愉快な仲間達です。2枚目は、招き猫まつりのメイン展示物。巨大涅槃猫のオブジェです。たいへん、お待たせいたしました。新しい章の始まりです~!《第9章① ナタトリア 》バミューダ海域の調査を終えた、猫沢さん達は、宇宙船の中のリビングで、ゴロゴロと、くつろいでいました。別の調査をしていた、猫庭博士は、いつになく顔色が優れません…。猫沢さんは、そんな猫庭博士を、気にかけます。「猫庭博士、大丈夫ですか?」「…はい…」「どうしたんですか?」「テラビト達の、ミトコンドリアが、急速に狂い始めています…」猫庭博士の瞳に涙が溢れ、プルプルと震えています。「急速に…?」「はい、ストーンブロックの蓄積スピードが、以前より増してます。テラビト達の、ミトコンドリアのデータ破壊が、加速しています」「加速してる?」「私達が放ったカルカンは、ストーンブロックの蓄積の力に押されて、破壊されています…」猫庭博士は、真っ赤な粉のような物が詰まった箱を見せました。回収されたナノマシン達の残骸です…「なんて事だ…」「猫居博士に、カルカンよりも、強力なナノマシンを依頼しました。テラでのカルカナルは…私達の星の頃よりも、数倍の勢力を持っています…」猫庭博士は、肉球で顔をおおいました。 そんな猫達の心配をよそに、地球人である作者達は、何も変わらない普通の日常を過ごしていました。そう、何も変わらないように平和そのものに見えている、この世界…明るい未来を夢見て…地球人等は、目隠しをされたまま、自らの力で、力を封じ破壊する。カルカナル達は、そこから生まれたエネルギーを、嬉々として、吸収し、力を増幅している事を…誰も知らない…知らない…「猫沢博士、現代のテラビト達が、いにしえの力を封じられている事も、優れた能力を持っていた記憶も、何もかも奪われ、幼い心のまま、生きています。このままでは…」「猫庭博士、寅次郎博士が言っていたね。テラビト達が、どのような道を選んでも見守れと…私達に出来るのは、小さな風穴をあける事だと…」「しかし、残酷です…私は、あの悪夢を、もう見たくはありません」 「私もです…調査中に出会った、ナタトリアの民から「テラ自身も、テラビト達に、メッセージを送り続けている。共に生きる仲間として…しかし、テラの意識が彼等に届かぬよう、カルカナル達は様々な手段を使ってくる。それを見抜くのはテラビト自身…救いは、テラのメッセージを受けた者達の存在。微力だが、確かに動いている。彼等が、波紋のように、テラのメッセージを伝える、やがて、どこかで変化が起こるだろう」と、言っていました。時が満ちるのを、待ちましょう」「あの彼等が、そう言っていたのですか!?」猫庭博士の表情が、ぱぁっと明るくなりました。「ナタトリアの民」とは…?一方、猫の星では…?イクサフィーゴ2代目シヴァの体に現れた、カルカナルの目は、猫達を、じっと睨み付けていました。そこには、目玉の成長を阻止する、猫伊博士達の姿が…そして、突如、街に設置された、古いブラウン管テレビにも似たモニターに映る、ロシアンブルーの可愛らしい少年猫の姿…美しい歌声と、愛くるしい姿に、虜になる猫達が続出。と言う、もっぱらの噂が、地球調査員達の耳に入っていました。彼の名は「ロドニア」猫沢さんは、兄猫から、送られてきた、彼の映像を眺めつつ、珈琲に似た、苦めの飲み物「クロ・チャン」を、飲んでいました。「猫沢博士!この子、ご存じなんですか?今、大人気なんですってね!かわいいですよね!」アクア操縦士が、無邪気に、声をかけます。「…そう、見えるかい?」「え?」「いや…確かにかわいいね…歌も、とても上手だ…」猫沢さんは、無表情で、クロ・チャンを飲み干すと、リビングを後にし、アクア操縦士は、不思議に思いましたが、気のせいかしらと、ロドニアの曲が入ったチップをイヤホンに差し込み、業務に戻っていきました。この様子を、作者は「ナタトリアの民」と「ロドニア」と言う存在の明細を知らないまま、飛び込んできた情報を、ひたすら、ここに記録として打ち込むのでした。[つづく] (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)     

星を繋ぐ猫達《第8章27 アディオス 》

先週の猛暑は、どこへやら?いきなり涼しい気候に…?扇風機だけで過ごせるのが、嘘のようですね。画像は、1枚目は、2018年の個展にて発表しました。猫曼荼羅「雲外蒼天」2枚目は2016年個展作品「美しきメッセンジャー2」(こちらの原画は、高円寺、猫の額さんで実物をご覧いただけます)※原画作品、ポストカード、招き猫作品は、猫の額さんで、販売しております。では、続きをお楽しみください。《第8章27 アディオス》明朝、いよいよ、カミシロ族達が、地球を離れる日が、やって来ました。村人総出で、見送ります。村長は、祭りの後、村人達に、調査隊の調べにより、鬼が宇宙人であった事と、誤って封じ込めてしまった事を伝えたのです。村人によっては「宇宙人だなんて、おっかない、鬼伝説の方がよほどマシ」「架空の物語として夢を持たせてほしかった。残念だ」等と、存在する現実と、よくわからない恐怖心からか、認めたくないと、心無い言葉を放ち、断った者もいました。はたまた、事実を知り、彼等が、300年ぶりに還る事が出来ると知り、同情する者、是非とも見送りたいと言う者、好奇心だらけの者、村人の大半が、彼等を見送りに宇宙船のある基地へ集結します。 マゼラン遠隔修理班により、整備された宇宙船は、地下格納庫から出され、巨石群の上に一定の高さを保ち浮き、朝日を浴び、シルバーに輝く百メートル近い楕円形の船に、村人達は、見入っていました。約100名のマゼラン星人達は、神楽屋から出てくると、猫達の小さな輸送船3機に乗り込み、宇宙船に向かいます。寅次郎博士達は、車で駆け付け、その後を、松方さん一家の車が…いよいよ、別れの儀がはじまろうとしています。初めて、マゼラン星人達を見る村人達、手足が長い以外は、非常に地球人と、よく似ていて、親しみを感じていました。猫達から贈られた、シルバーの、クリエネルのマントを纏った姿は、とても、かっこよく見えたのです。松方さんが、何やら大きな桐の箱を、家族総出で、台車に乗せ、センジュ族長の前に持っていくと「あ、あの、これ、お返しします!」「これは?」「先祖が、あなた方の村から持ってきてしまったモノです…」「しかし…これは、あなた方にとっても、大切な物では…?」「良いのです…私達の村は、もう、これに頼らなくても大丈夫なんです。で、ですから、星で使ってください!」「…ありがとう…良い船が造れます」「それと、これ…」センジュ族長の目尻が、ふにゃりと緩みました。「おぉ、これは…」300年続く老舗の、栗羊羮に、目を輝かせます。「宇宙船の中で皆さんで食べてください…」「…ありがとう」そして、後ろには、千寿一家が…「さぁ、大きい大きいおじいさんに、御挨拶しようね」生まれたばかりの、とても小さな赤ちゃんを、抱き抱え、センジュ族長の腕に抱かせます。「おぉ…なんと可愛い…」赤ちゃんは、まだ視力の定まらない視線を、族長に合わせ見つめ微笑んでいます。「そうか、そうか、会えて嬉しいか、私も嬉しいよ。また、地球に来るからね」族長は、赤ちゃんに優しく話しかけます。村人達が、一瞬ざわつきましたが、千寿氏は、構わず、「この子は、祭りの後に生まれた、私の孫です。あなたの面影もあります。そして、こっちは、私の息子。私達は、マゼラン系の地球人として、この星で生きていきます」千寿氏の息子は、すらっと手足が長く、モデルのよう、そう、あの時、祭りの後の宴会場にいた「もしかしたら、鬼は宇宙人かもしれない」と、言っていた青年です。「そうか、一緒に帰れないのは残念だが、仕方ないな…」「地球人のDNAを持っていますから…ですが、私達は、地球人として生まれた事を後悔していません。ようやく、約束を果たせました」「マナタカ、ヨシツギ、ミライ…ありがとう…」お互いの肩を抱き合うと、今生の別れの惜しみました。また会おう。と、約束しても、実現するのは更に先…「間もなく、特別直通ワームホールが開通します。出発準備願います」寅次郎博士と猫沢さんが、ライトを片手にもち、宇宙船を誘導、カミシロ族達は、宇宙船の扉が開くとマントをたなびかせて、入っていきます。 出発準備が整い、いよいよ、ワームホールが開きます。300メートル近い上空の、 何もない空間が、大きな渦を巻き、渦の中心部が口を開けるように拡がると、そこには、まばゆい虹色の光の空間が現れ、村人達は、巨大な美しい光のトンネルに、言葉を失い見つめています。 宇宙船は、ゆっくり浮上しワームホールの中に吸い込まれたかと思うと、静かに閉じ、何事もなかったように、青空は広がっていました。寅次郎博士達と、猫沢さん達は敬礼をしながら、暫く、じっと空を見上げていました。千寿一家も… 「風天(かざま)さん、猫くん…何から何まで、ありがとう…無事に、彼等は、還る事が出来ました…」千寿氏は、目に沢山の涙をため、寅次郎博士の手を握りしめます。「良かったです。私達も、ようやく、任務(約束)を果たせました」側にいた村長が、「寅次郎さん、ありがとう。天国の親父も喜びます」「私達の任務は、まだ終わっちゃいません。この瞬間から、神城村は、新しい歴史を刻み始めたんです。これから先、皆の協力が必要です。今後とも、よろしくお願いします」寅次郎博士は、村長の目を見つめ、しっかと手を握りしめると、村長は、力強くうなずきました。 それを見ていた、猫庭博士は、昔、よく聞かされた話の中で、祖父、十三郎が、虎之助博士に、星の未来を託された日のエピソードと重なり、まるで、あの頃の、祖父が目の前にいるようだと、思わずにはいられませんでした。[猫伊虎之助]かつて、猫の星カンタスカラーナを、カルカナルの魔の手から、守った猫であり[橋渡しの民]そして、現在、彼は、地球人[風天寅次郎]として、生きているのです。彼の中の、長きに渡るタイムラグの穴が、パズルのように、埋まっていきます。寅次郎博士は、約20年前の、あの時、心身共に崩れかけながら、この村に導かれるように、やって来た日の事を思い出していました。導いてくれた猫の星の民、美しきメッセンジャー、女性科学者、ジャッコ博士。過去の自分が託した、メッセージを託して現れた彼女の想い。その想いは、ようやく実を結び、(過去)虎之助から(現在)寅次郎へ、時を超え、時空を超え繋がり、本来の力が、発揮されるのです。寅次郎博士の、周りの周波数の変化を、静かに見つめる猫沢さんは、謎多き[橋渡しの民]の素顔を、垣間見た気がしました。 (猫沢博士、バミューダ海域に変化が現れました)上空で、待機するニャンタープライズ号の、アクア操縦士から、テレパシーが届きました。(了解、すぐ船に戻る) 「寅次郎博士、私達は、これにて、おいとまします。バミューダ海域に行ってきます」「…あぁ、君達もありがとう!」「寅次郎博士…ちょっとお疲れのようですね。これをどうぞ」猫沢さんは、小さな銀の粒を、数粒、渡しました。彼のホログラムボディー(肉体)は、70年余りの時を重ねているのですから、無理はありません。維持していくには、大きなエネルギーが必要なのです。「私達の星の疲労回復の実です」「はは、懐かしい!ありがとう」寅次郎博士は、早速、口の中に入れました。「カンタスカラーナの頃を思い出す…この実には、随分、世話になったよ」「では、また、のちほど、報告します!」猫沢さん達は、上空に待機する船に乗り込みました。「寅ちゃん、あの猫達は、一体…?」まだ、完全に状況を、把握していない、村長の息子、火水斗が、疑問を投げ掛けました。「そうだったね、君には、本当の事を話さなくてはね…うち来るかい?」「おお!」回復の実で、すっかり顔色が良くなった寅次郎博士は、火水斗と共に、屋敷へと向かうのでした。2015年の冬の入口…新生神城村の歴史は、今、始まったばかりです。[第8章 おわり]長きに渡りました。第8章、お付き合い頂きまして誠にありがとうございました。次回から第9章が、始まります。 (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)