《大肉球曼荼羅 第2章⑦アンニャミラーカフェ》

もう11月、今年もあと僅かですね。時代が大きく変化していくのを眺めながら過ごす毎日です。

画像は2016年個展制作、猫の星のトップアイドル、ロドニア君!!!
かわいい男の子です。

では、続きをお楽しみください。

《大肉球曼陀羅 第2章⑦アンニャミラーカフェ》

その頃、大通りに面した1角に新オープンを控えたアンニャミラーのカフェでは、

「私の夢が、ようやく叶う…」

シュッとした細身のオレンジ色のワンピースを着た美しいシャム猫が、目を潤ませて佇んでいました。
新設のアンティーク調の建物のカフェの中には、年代物の調度品が、上品に飾られています。
ロドニア監修の内装は、とても、可愛らしい外見からは想像の出来ないセンスと発想

彼女は、2年ほど前に目立たぬ路地裏で始めた小さな小さな洋菓子店からスタートしました。オープンしばらくして、経営に行き詰まり悩んでいた頃、彼の歌声に出会い、以来ずっとずっと憧れ、どんな辛い時や悲しい時も彼の天使のような歌声を聴けば、たちまち元気を取り戻し日々頑張っていたのです。

そして、彼女の熱心な心が通じたのか、ロドニアとの提携が実現し、公認スィーツを発売するやいなや瞬く間に人気になり、とうとう夢が叶ったのです。

いつか、カフェを開き、猫達の憩いや喜びの場を作りたいと願っていたのですから…

「おめでとうございます。ケーシャさん」
「ありがとうございます!ロドニア君…いえ、ロドニア様…あなたのお陰で、私は、夢を叶える事が出来ました」
「いいえ、これは、あなたの実力の他なりません。僕は、少しだけ背中を押しただけです」

地球人年齢にして、10歳にも満たないような可愛らしい子猫の言葉とは思えぬ大人びた言動に、周りの猫達は、落ち着きのある紳士のような子猫だと評判で、なおかつ周囲への配慮や気遣いなど完璧なのです。

ステージ上の彼は、とても愛らしくキュルンとするような振る舞いと、天使のような歌声は星中の猫達を魅了、礼儀正しく美しく誰にでも愛される可愛らしい姿…

そんな彼の歌声に、ひどく嫌悪感と不快感を現す猫沢さんは、一体、何を感じているのか…あの謎の楽器が見せた拒絶反応は、何なのか…?

「ロドニア様、あの…」

ロシアンブルーの、マネージャーの男性猫ポイスーンが、慌てた様子で小声をかけます。

「どうしました?」
「例の猫達が動き出しました…」
「そうですか…ふふふふ」

ロドニアの瞳が、不適に光ります。

「では、僕達も、そろそろ例のプロジェクトを進めましょう」
「かしこまりました」

ポイスーンは、静かにロドニアの元を離れると、マシンでどこかに向かいました。

「どうしましたの?」
「なんでもありませんよ。僕もこれから少し忙しくなります。お店には、なかなか顔を出せませんが頑張ってくださいね。応援しています」
「はい!」

ロドニアは、白猫で黒髪ボブの女性猫、秘書のケーミカーラと共に、店を後にしました。

黒いクラッシックマシンに乗り込むと、黒づくめのマントにシルクハットの老紳士猫の姿が…

「ロドニア様、いかがでしたか?」
「素敵なお店だったよ。楽しみだね♪」
「それは、よろしゅうございました…では、参りましょう」

シルクハットの老紳士、一体、彼は何者なのでしょう?言葉使いを聞くと、彼に仕えている部下の1人にも思えます。

その頃、吟遊詩人猫のハーオスさんが、風さんの店の近くにある通りで演奏をする姿が…
年期は入っていますが大切に扱われていると思われる、小さな竪琴で美しくロマンティックな音色、道行く猫達は、うっとりと耳を傾けます。

その通りから、少し離れた大通りを、ロドニア達を乗せたマシンが横切りました。

その街並みの後ろに、そびえ立つイクサフィーゴ、シヴァ2世のボディに不気味に光る、カルカナルの眼(芽)が、静かに猫達を視ています。

(つづく)

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そんな楽しい猫の星の世界観第6弾を2019年、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました。2020年は、同会場にて、木元慶子さんとの二人展「出会いと旅立ち」を開催しました。来年も開催決定です。よろしくお願いいたします。

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