《大肉球曼荼羅 第2章⑥不思議な楽器》

少し間が空いてしまいました。お待たせいたしました。

画像の作品は、2016年個展作品
「フラクラフト」と言う魚型の乗り物に乗る、猫沢さんとΣ達です。
この乗り物は、単独で地球調査に行った時に使用したもので、小型ながらも有能なマシンです。猫の星に帰ってきた今も、大切にメンテナンスし乗っています。

では、続きをお楽しみ下さい。

《大肉球曼荼羅 第2章⑥不思議な楽器》

お腹も満たされた猫沢さん、すっかり謎の楽器もマスターし、軽やかに研究室に戻ります。
ドアを開けるなり、

「皆!マスター出来たぞ!!!」
「それは良かったです!」

猫沢さんはニコニコ!!!

「で?一体、何をマスターしたんですか?」

状況をしっかり飲み込めていない研究スタッフ達は、はてな顔

「実は私は、今朝「虚空庭園」に行って、テラビトに不思議な楽器を貰ったのさ!」
「楽器??風さんの店にテラビト来てたんですか?」
「ちがーう!宇宙にある方~!!」

皆は、風さんのお店の「虚空庭園」と勘違い、それもそのはず、本物の「虚空庭園」から名付けたのですから、なんと、まどろっこしい事

「私は、この楽器を使って、あらゆる空間から音を取り出し、奏でる事が出来るようになったんだよ!」
「音を取り出す?凄いじゃないですか‼」

不思議な能力を身に付けた猫沢さんに、皆は、目を輝かせます。

「見ていてごらん♪」

そう言って猫沢さんは、パンッ!と肉球を叩き空間を撫でると、たちどころに美しいメロディが!

そして、軽やかに舞いながら1曲披露したのです。
久し振りに猫沢さんの音楽を聴いたスタッフ達は、拍手喝采!!

「所長、このメロディは…?」
「ダーニャの調べさ♪虚空庭園でダーニャに会ったんだよ♪」
「ダーニャ!?あのダーニャですか!」
「とても美しい女神だったよ。あの肖像画通りのね」

猫沢さんは、研究室に飾ってある肖像画を見ながら、自慢気です。星の猫達は地球人と違い、割りと簡単に「虚空庭園」に行く事が出来るのです。地球人の場合、特別な力を持った者を介してでしか知る事や見る事が出来ないと言われているのですが、カンタスカラーナでは簡単な事、ですが、ダーニャに出会える確率は非常に少なく奇跡なのです。

猫沢さん曰く、本来なら地球人も簡単に、虚空庭園と同等の世界アカシックレコードに行けるのだと言いますが「気軽に行く事なんて出来る訳ない場所」と思い込んでいる為、行けないだけと…

「あの世界から物を持ち帰るなんて、奇跡ですよ!!」
「不思議な事に、私の肉球の中にスッポリ入ってしまってな、ここだけ「波」が違うんだよ」

猫沢さんは、波感知スキャナーに当てて画像に映します。

「なんと!この「波」の形は見た事がありません!テラのですか?」
「いや、テラにもこのような「波」はない、別の星のものだ」
「どこの星ですか?」
「分からない…音を操る星と言う事だけしか分からない…だが、この「波」は繊細かつ力強い何かを感じる…」

猫沢さんは、再び空間を弾きます。
美しい音色は、スタッフ達の心に優しく響きます。

「所長、この楽器を研究発表会に出しませんか?」
「もちろん、そのつもりさ。今回の研究発表は、素晴らしい場所を借りる事が出来たんだよ」
「どこですか?」
「スカイニャルー劇場♪」

猫沢さんは、クルクルと回りながら音楽を奏で上機嫌

「野外ですね‼しかも大きい‼」
「最高の場所だよ!」

猫沢さんは、一度、ここで発表会を開きたかったのです。
彼の頭の中には、次々と楽しい発表会のアイデアが湧いてきて、ワクワクする気持ちが抑えられません。

いったい、どんな研究音源発表会になるのでしょう?

(つづく)
  (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】SF物語を展開中です。

そんな楽しい猫の星の世界観第6弾を2019年、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました。2020年は、同会場にて、木元慶子さんとの二人展「出会いと旅立ち」を開催しました。来年も開催決定です。よろしくお願いいたします。

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※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

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個展連動SF猫物語[幻想の魚の秘密]シリーズ

東京 高円寺 猫雑貨&ぎゃらりー猫の額さんで、展開している。オリジナルSF猫物語を更新しています。

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