星を繋ぐ猫達 《第7章 ⑦ 2015年 10月31日「森羅万象光明波」最終日 後編》
この記録は、2年前のものです。
当時行われた、個展最終日は、派遣宇宙人の送別会と偶然重なり、賑やかに幕を閉じます。
では、続きをお楽しみください。
画像は、釈迦如来3尊猫達と、六さんです。
《第7章⑦2015年 10月31日「森羅万象光明波」後編》
店に集まった地球人達は、彼等のステージを心待にしています。
静かに、派遣宇宙人「六さん」にメッセージを送ると、いよいよステージ(宴)が、始まります。
ボーカル宇宙人による、軽快な歌声と、ギター宇宙人の巧みな演奏技術が披露されます。お客さんはノリノリです。皆、彼等の事を、地球人が宇宙人に扮したミュージシャンだと思い込んているようですが、
半分は正解。半分は不正解。そのような事は置いておき、楽しい時間が過ぎていき、思い思いに楽しみます。
そして、いよいよ、彼の「夢」が叶う時がやって来ました。
今まで、一切動く事が出来なかった、ホログラムボディー、あえて「動く」と、言うプログラムをしなかったが為に、出来なかった事…
仲間の宇宙人達に、最後の願いとは…?
なんと、前夜に、お店のスタッフと宇宙人達は、彼の体に、たこ糸を張り巡らせていました。それを、スタッフや店長さん達が、巧みに操るのです。
まるで、パペットです。
そう、彼は、思い切り、動きたかったのです。
ステージの途中、突然、起き上がり踊り出した彼を見た皆は、大喜びです。
まるで、生きているよう!彼は、仲間に支えられながら、楽しく踊ります。
「ウゴク!タノシイ!ミンナトイッショ!アリガトウ!」
と、そして、最後の曲が終わると、糸はプッツリと切られ、彼は、元の骸骨のオブジェに戻りました。
そう、ただの無機質な物質に…
そこには、もう、彼はいません。
既に、店の上空には、迎えの宇宙船が、待機しており、彼のエネルギー体を、吸い込むと、一瞬にして船は消えてしまいました。
屋上で静かに見送る猫沢さん達、
「行ってしまいましたね…」
猫沢さんは、星空を見上げ、敬礼をしていました。
「六さん、任務、お疲れ様でした」
猫達、全クルーは、次々に敬礼をし、彼に、労いの言葉をかけました。
その頃、作者は、お客さん達と共に、オーダーしたメニューをつまみつつ過ごしていました。
「六さんと言うのは、私の身内の名前でして…彼(骸骨のオブジェ)を見て、なんとなく…似ているなぁと思い、名付けたんですよ…それが、とんでもない人物でしてね…」
この催しを主催した、店長さんは、皆の前で、実在した[人の六さん]の思い出話を、ポツリポツリと話します。このお店が一ヶ月後に閉店してしまう事も…
作者は、もっと長く営業してくれる、と、思っていました。ですが、様々な事情で、2015年の11月最終日の大イベントを最後に、お店を閉めると…
その後、新しい形態で、この店は継続していくと発表しました。
普段、岐阜に住む作者には、茨城県つくば市は、とても遠くて年に数回しか行けず、時々、顔を出しては、真心のこもった料理とドリンクを頂き、まったりと過ごすのが好きでした。
お店の人には、すっかり「猫の子」と言う名で、定着しているのか?奇妙な気持ちです。猫の絵を描く人を縮めた結果…「猫の子」です。
猫沢さん達に「間違っちゃいない」と、からかわれる始末。
そして、いよいよ、明日は搬出作業が待っています。
まるっと一ヶ月間、仏猫作品達は、この、不思議な空間「Gazio」で、過ごしました。なんとも言えない気持ちです。
作者は「やりきった。悔いはない!」と、思える程の、特別な想いがこもった空間での展示。
安堵と緊張が、交ざりあう中、閉店ギリギリまで、余韻を楽しみ、宿に戻った作者を、猫達が迎えました。
「お疲れ様です!」
かわいらしい猫達に迎えられ、緊張が解れた作者に、猫沢さんは、話しかけます。
「…いよいよですね」
「え?何がですか?今日で、終わりじゃないですか?」
「確かに、ここでの行事は終わりましたが、既に始まっています」
「何が?」
「ここはゴールではありません。スタートです!」
「え?」
「今に解ります。とにかくお疲れ様です。善き時間を過ごしてください。私達は、次の任務に向かいますので」
猫沢さんは、謎めいた言葉を残すと、宇宙船に戻っていきました。
[つづく]
(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
そんな楽しい猫の星の世界観第四弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)
2018年の6月も、幻想の魚の秘密.第5弾を展示決定!お楽しみです。
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
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