星を繋ぐ猫達 《第7章⑥ 2015年10月31日 「森羅万象光明波」最終日 前編》
この記録は、2年前、作者が、カンタスカラーナ星人以外の宇宙生命体と、接触した時の、貴重な記録です。作者は、ひょんな事から、展示と言う奇妙な形で、彼等の送別会イベントに参加する事になりました。
彼等の発する音波、カレーには、様々な秘密が隠されているようですが、一体どのようなものなのか?謎は深まるばかりです。
では、物語の続きをお楽しみください。
画像は、個展DM&個展最終日の模様、主役の六さん
《第7章⑥2015年10月31日 [森羅万象光明波] 最終日前編》
10月の個展中、作者はソワソワ
分身に等しい作品達が、手元から離れ人前にさらされるのは、心ここにあらずになるのは仕方ない事です。
猫沢さん達は、再び、会場の額縁次元で待機し、様子を伺っています。
例の宇宙生命体も、任務終了の時を待っています。彼は、調査任務を終えデータを送る作業を終えると同時に、記憶を抹消される事を知っていました…それから先の運命は、どこにあるのやらと…遠くを見つめつつ、彼は残りの日数を、過ごすのです。
猫沢さん達は、時折、僅かなテレパシーで会話をしつつ、情報を共有していました。お互いの目的や使命は違いますが、偶然、地球で遭遇した宇宙生命体同士、宇宙連合ルールに従い、 コミニケーションを計ります。
彼等は、音を操る生命体。奏でる事に長けている為、地球人達との交流手段は音楽
地球人にとって、馴染みのない彼等の音楽、初めて聴いた人は、驚いてしまいますが、中には、えもいわれぬ魅力に、引き込まれる者もいます。そして、元々、記憶のどこかにしまいこまれていた何かを、引き出されるように、集い、何かを創りはじめていました。
猫達は、そんな、彼等が創り出した不思議な音楽を聴きながら、調査を続けています。
「猫沢博士、この周波数…」
猫沢さんの、一番弟子の猫宮医師が、話しかけると…
「気づいていましたか?」
「はい」
猫宮医師は、微笑むと、猫沢さんは、ふふっと表情を緩め、静かに調査を続けました。
そして、展示会期が、静かに過ぎていきます。
いよいよ最終日、調査を終えた彼が、地球を去る日がやって来ました。
祭壇のように設置されたステージに横たわる彼は、静かな音楽に耳を傾けながら、天井を見上げていました。
3年間、この地球で使用されたホログラムボディーの器は、骸骨のオブジェの姿、愛称は[六さん]宇宙人のユニフォームを着用し、微動だにせず、ただ一点を見つめ、店に来る人達に悟られぬように調査を続けました。
ボディーを離れる寸前に、この地球での、夢をひとつだけ叶えたいと、仲間に相談したところ、快く引き受けてくれた事を喜ばずにはいられません。
猫沢さん達も、そんな彼を見て、とても嬉しく思うのでした。
彼との別れを惜しむ地球人達が、続々と、やってきます。受付をすませ、小さな花を受け取ると、横たわる彼の上に、優しく花を置きます。
仲間の宇宙人二人が、彼の為に用意したステージ…
どう見ても、お寺の雰囲気の作者の作品達…。送別会と言うよりも、告別式なのではないか!?と、錯覚してしまいます
しかも、宇宙人スタッフは、キチッと黒スーツで身を包んでいます。
仲間が作ってくれた、彼を送る為のBGMも…セレモニーホールで流れていても違和感がありません。
この日の為に作られた楽曲CDを手に入れ着席、特別カレーを待つ作者…
なんだか、とても奇妙な気持ちです。
長年描いてきた、仏猫作品が、まさか、宇宙人達のお別れ会のエッセンスとして起用されるとは、思ってもみません。作者も、この宇宙人達の音楽を好んでいたのですから…そして何故か懐かしいと…
偶然とは言え、彼らとコンタクト出来た事を、嬉しく思うのです。
そして、式は、しめやか?に、開始されたのでした…。
[つづく]
(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
そんな楽しい猫の星の世界観第四弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)
2018年の6月も、幻想の魚の秘密.第5弾を展示決定!お楽しみです。
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
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