星を繋ぐ猫達 第3章 《謎のキーパーツ オールドクルーラー》
お待たせいたしました。岐阜県可児市で開催の猫いっぱい展も無事に終わりました。ご来場下さいました方々に感謝です。
現在、私は、今年、6月に開催される個展に向けて準備中です。楽しい展示になるよう、頑張ります。
画像は、昨年の個展のメイン作品です。
《第三章 謎のキーパーツ オールドクルーラー》
不思議な形のパーツを受け取った猫沢さん。物珍しそうに眺めています。
「これは、鍵となるパーツ[オールドクルーラー]だ。ミニイクサフィーゴ達と共に鍵の相棒となる石盤が地球に来ている筈だ。これも一緒に探して欲しい」
「と、言う事は、このパーツは、カンタスカラーナに帰したミニイクサフィーゴ1基を合わせ、4つあるのですね」
「そうだ」
「揃うと、どうなるんですか?」
「カルカナル磁場に風穴が空き、カルカナル達が見せるマヤカシが剥がされる…」
寅次郎博士は、虎之助時代に、カンタスカラーナでも同じ事をしたのだと言いました。
「寅次郎博士、昔、祖父から聞いた事があります。あなたは、祖父達に技術を教えてコロニーを任せ、同士とイクサフィーゴ達を探し旅に出ていたと聞きました」
猫庭博士が[オールドクルーラー]を眺めながら言いました。猫庭博士の祖父は、昔、虎之助博士と共に、カルカナルの魔の手から星の猫達を救った猫なのです。
「よく知っているね。君のおじいさんは、本当に素晴らしい猫だったよ。彼のお陰で、見事な風穴が開いたんだ」
寅次郎博士は、 当時を懐かしむように深く頷きました。
「祖父から聞いた話は、単にパーツが揃っただけでは意味がないと…猫達の意識も同時に変化していないと、本当の意味でカルカナル磁場を壊した事にはならないと言って、街のマルシェでコロニーで作った野菜を売り続けていました。祖父の作った野菜には、カルカナル磁場で壊された猫達の細胞や意識を修復する力があると、話してくれました」
猫庭博士は、ミニイクサフィーゴを眺めました。
「そうか、私の意志はしっかり受け継がれていたんだな…」
「はい、今は私の心に貴方の意志が受け継がれています」
猫庭博士は、寅次郎博士の足元に来ると、肉球をピタリとつけました。
「今、私が一基を稼働させたと同時に、他のミニイクサフィーゴ達が、共鳴を始める筈だ。君達は、その共鳴周波数を頼りに探し当てれば大丈夫だ」
寅次郎博士は、黄金にキラキラ輝くミニイクサフィーゴを眺めながら言うと、猫達は、しっかり頷きました。ようやくミニイクサフィーゴ達捜索の手掛かりが見つかりました。
「さぁ、一休みして、お茶の続きをしよう」
晴れやかな表情の寅次郎博士、本当に進めたかったミッションにたどり着いたのです。それまで、彼は、蕎麦を打ち野菜を作り、ひたすら、カルカナル磁場によって蓄積された、地球人達のストーンブロック(遮断石 通称 漬物石)を破壊し続けてきたのですから…
(ここで少し捕捉です。単純に、野菜や蕎麦に、遮断石を壊す力がある訳ではありません。一定の条件を満たした作物や食品に宿る何かしらの力が作用し、遮断石を、壊します。詳しい説明は追々…)
寅次郎博士は、第2弾として、リンゴのパイを出してくれました。
村にある、野生のリンゴを使ったパイです。猫達は大喜びです。
これらのケーキは、神楽屋の店主の日水斗くんの奥さんが作ってくれたものです。奥さんは、神楽屋の近くの古民家を改築して小さなカフェをやっています。
不思議と、この土地で作った食物は、猫達の口に合うのです。サンプル1号が住む片田舎では、空気も悪く、食べ物の大半は口に合いません。
皆、ホッと一息ついた所で、話題を変えようと、猫沢さんは、地球で採取した謎のナノマシンを見せようとバッグの中から取り出しました。
[つづく]
(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
そんな楽しい猫の星の世界観第二弾を、昨年、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表。2015年6月5日~17日に開催いたしました(^O^)
2016年の6月も、幻想の魚の秘密.第三弾を展示決定しました!既に準備は始まっています。お楽しみです。
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
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