星を繋ぐ猫達 《第4章 テラビトサンプル1号観察記録 2014年秋②》
まだまだ梅雨明けしない日本列島、蒸し蒸ししたり暑くて体力を奪われたりで、体調管理が大変ですね。
いかがお過ごしでしょうか?
画像は、2016年個展作品[虚空の舞]
とあるミュージシャンの方が、6月の初めに、突然の心不全で、49歳の生涯を閉じ、この世界を旅立ちました。追悼の意を込めた作品です。急な事で、とてもショックを受けました…ご冥福をお祈りいたします。
画材、三菱ユニポスカ、コピック
そして、今回のお話は、塩についてです。物語開始当初、猫沢さんに、サンプル1号と命名された、私の、食生活は、随分と変化してきました。お陰で、少しづつ体調は良くなり、問題の[漬物石]の除去も進みつつあり、いまいち何かが足りないまま過ごしていた頃の記録です。
《第4章 テラビトサンプル1号観察記録 2014年の秋②》
「減塩て、もしかして…?」
サンプル1号は、大きな疑問にぶつかった事に、ようやく気づいた。
「海の成分と同じ環境の体内に、塩分の補給を制限してしまったら、テラビトの身体機能に支障は出ないのでしょうか?」
「海の成分…もしかして、私達が教わったのは、間違っていたと言う事なのでしょうか?高血圧や心疾患や脳卒中等のリスクがあるから、減塩、薄味と言われてきました…」
「それは一理ありますし、一理の微塵もありません。あなたが示している塩のリスクと言うのは、イオン交換膜製塩法により生成された塩化ナトリウム99%以上ある精製塩の事でしょう」
「精製塩?」
「あなた方の住む国は、塩田を禁止され、工場生産の塩に切り替えられた歴史があります。それらの塩が、あなた方に間違った塩の知識を植え付けました」
「植え付けられた…?」
「そう、本来型の伝統的な塩は、海水を汲み上げ天日や釜で作られ、沢山のミネラルや栄養を含んでいました。それらからミネラルを体内に取り入れ、機能維持をしていたのです。その機能を排除したものが、普段の食卓にのぼり、大量に加工食品等に使われ、病気の元凶となり減塩運動を促しています」
私は、テラビトの塩の歴史の資料を、サンプル1号に渡した。
驚いた事に、私達の星にもテラの海と同じような液体が星を覆っているのだ。成分もよく似ている。
「あなたは、積極的に野菜摂取を増やして減塩と薄味を実践した結果、味覚異常を起こし、ますます体調不良になりました。野菜には多くのカリウムが含まれています。カリウムを含む野菜を沢山食べ続ければ、体内にあるナトリウムは、体外に排泄されてしまい塩不足になります。そして、もう1つ原因があります」
「原因?」
「はい、あなたの食生活の中で、なかなか改善出来ないものです」
私は、サンプル1号の戸棚から持ち出した、ある物を見せた。もちろん、私が、決して口にしない物である。
[つづく]
2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。
また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しましたよろしくお願いいたします
(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい。一言お知らせ下さい)
0コメント