星を繋ぐ猫達 《第5章 イクサフィーゴと猫達》
暑いですね。
来年の1月に、猫の額さんにて、企画か示の参加が決定いたしました。作品の構想も浮かんできました。
楽しい企画展になるよう頑張ります。
では、お楽しみ下さい。
画像は、2015年個展作品[美しきメッセンジャー]
ジャッコ博士、彼女は、この物語の大切な役割を持つ、タイトル通りのメッセンジャー、門田さん製作の作品と言う設定。
モデルは、猫の額さんの先代看板猫ジャッコさん。
(現在、この作品は手元にはなく、ニューヨークの猫好きの方の元に、お嫁入りしていきました)
《第5章 イクサフィーゴと猫達》
門田さんは、あまりの驚きに、煎餅を畳に落としかけました。
「風天(かざま)さん、今、何て言った?」
「猫達が、探していた人物は見つかったよ」
寅次郎博士は、のほほんとして、お茶をすすり、安堵の表情です。
「あんたの知ってる地球人か?」
「ああ」
「誰だったんだ?」
「私だよ」
「はぁぁ?あんただったんかい!?なんでまた?」
「命綱さ」
「命綱?」
「彼等は、私が以前任務していた星の住民だ。私は、任務が終わり星から離れる直前に、彼等にお願いをしたのさ「私を探して起こしてくれ」とね」
「用意周到だな!」
「彼等は世代を越えて、探し出してくれた…感謝しなければならないよ。私は、なんとしてでも地球で、覚醒しなくてはならなかったからな…」
「イクサフィーゴ担当者も、結構キツいのう…」
「そうでもないさ。今回のミッションのタイミングの鍵を握るのは、イクサフィーゴ達だ。今が、そのタイミングなのだろう…その彼等が、猫達を大勢引き連れ地球に来たんだ。カンタスカラーナ星人の智恵を借りよ。とね…」
「イクサフィーゴが…!?あぁ、あの猫達には、悪い事をしたなぁ…私はてっきり幻覚の類いか、動物霊か何かのイタズラだと思って、冷たくあしらってしまったよ…」
門田さんは、申し訳なさそうな表情で、囲炉裏にかけた鉄鍋の中の具材をかき混ぜていました。
何やら、良い匂いが立ち込めます。
「気にするなよ。また、彼等とコンタクトを取るから、会わせるよ」
「もちろん会うさ!」
「ひとつ、聞いておきたい事がある…」
「なんだ??」
「猫アレルギーは持ってないな??」
寅次郎博士は、とても真剣顔。 猫の館の主として、これは重要な事だからです。
「全く平気だ!ところで、風天(カザマ)さん、あんた、鹿肉食えるか?」
鹿肉と聞いた、寅次郎博士。無表情で首を横に振りました。
「じゃ、キジは??」
さらに激しく、首を横に振ります。
「…そか」
門田さんは、少し残念そうに、鍋の蓋をソッと閉じました。
「実はな…猫達の星は、未だ、カルカナルの影響下にあり、イクサフィーゴの力を必要としている。まだ数体は、カンタスカラーナに居る」
「揃っていないのか?一体どう言う事だ?」
「どうやら地球でのカルカナル磁場の影響で、足止めを喰らっている…それに猫達の星では、奴らの残党が復活したらしい…ことごとく、何かが歪められズレている…」
「残党復活?」
「あぁ、カルカナルの力を受け継いだ、僅かな猫達のマインドを乗っ取り再生したと聞いた…まぁ、詳しくは、猫達から直接聞いてくれ。あ、ちょっと電話してくる」
「あぁ…」
寅次郎博士は、土間に向かい外に出ると、思い切り深呼吸をしていました。さっきの鹿鍋の匂いが、少々、キツかったようです…。
そして、手の平を効き耳に当てると…
「猫沢くん、聞こえるかい?私だ。門田さんとコンタクト取れた」
暫く、聞き耳を立てていると返事が返って来たよう。
「わかった、ではまた明日」
寅次郎博士は、再び家の中に戻っていきました。
「お待ちどうさん。門田さん、良かったら、明日、私の家に来ないかい?猫達にも会える」
「本当か?」
「あぁ、極上の蕎麦もご馳走するよ。あれ?」
寅次郎博士は、再び、猫の絵を見つけました。宇宙飛行士のような、キラキラした眼差しの猫です。
「ジャッコ博士…」
「この猫も、知り合いか?」
「あぁ、彼女には随分、世話になった…」
「美しい猫だな。私は、彼女には直接、会っていないが、こう、希望に満ちた真っ直ぐなエネルギーやイメージが浮かんで…筆を走らせたが、とても楽しかったよ」
「明日、この絵を猫達に見せるといい、きっと喜ぶだろう」
寅次郎博士は、優しい眼差しで、ジャッコ博士の絵を見つめていました。
「そう言えば、風天さん、あんた、今は何やってるんだ?」
「蕎麦職人だよ」
[つづく]
2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。
また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しましたよろしくお願いいたします
(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
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