星を繋ぐ猫達 《第5章 寅次郎博士の宇宙蕎麦》

2017年1月6日(金)~1月18日(水) 東京 高円寺 猫の額さんにて、企画展に参加させて頂きます。

今回、企画展に参加するのは初めて、素敵な作家さん達と、冬の星空と猫を題材に作品を作り上げます。
ようやく秋晴れ、急激な朝晩の寒さに驚きます。

画像は、1015年個展作品[星を繋ぐ猫達]のDM葉書用作品。猫沢さんとΣ達です。
使用画材、三菱ユニポスカ、コピック

それでは、続きをお楽しみ下さい。

《第5章 寅次郎博士の宇宙蕎麦》

お腹を空かせた、門田さんと猫達の前に、冷水でサッと締めた出来立ての蕎麦が、ザルに乗ってやってきました。

猫沢さん達は、始めて見る蕎麦を興味津々に眺めています。

寅次郎博士は、小さなフォークと、特製のつゆが入った小さなお椀を用意してくれました。薬味はありません。彼等に、葱はご法度です。猫達は、どうやって食べるのか分かりません。困った顔をして見つめます。


「こうやって食べるんだよ」

門田さんは、最初は何も付けずに食べ、次は、蕎麦をつゆにスッと浸して、つるつると食べました。何口か無心で、口に運んだ後、門田さんは満足げな表情で、

「んまいなぁ。完璧に受け継いだんだな、みちたろさの味だ…たいしたもんだ!」

「ありがとう。この蕎麦は、微力だが、地球人達の意識に、なんらかの影響を与える事が出来る」

寅次郎博士は、笑顔で言うと、猫達があたふたして食べる姿に吹き出しそうになっていました。

「私達の星には、このような液体に付けて食べる食べ物はありません…わたし的には、何も付けずに食べた方が美味しいです」

猫沢さんは、両手でフォークをクルクルし上手に巻いて、パクリと食べていました。他の猫達も真似して食べています。一人だけ、チュルチュルと上手に食べている猫がいます。

黒づくめの衣装に、愉快な帽子をかぶった、アストロ.ニャーです。器用に食べる姿に、不思議そうに見つめる二人…

アストロ.ニャーは視線に気づき、こう言いました。

「おいらは、元々地球に住んでいたんだ。昔、一緒に暮らしていたご主人が、こうやって食べていたよ」

「君は、カンタスラーナ星人じゃないのか?」

寅次郎博士は、驚きます。

「違うよ。昔、ご主人の部屋で遊んでいたら、おおきな本が落ちてきて、頭に当たったの…それ以来、不思議な力を手に入れて、宇宙を旅してるんだ」

「君の飼い主は…健在なのかい?」

「…もう、とうの昔に亡くなってた…おいらの、おうちもなかった…でも、これを拾ったよ…」

アストロ.ニャーは、巾着袋から、小さな、錆びてボロボロになった鈴を取り出しました。

「おいらの宝物だよ…」

そう言って、そっとポーチに仕舞いました。

「おいら、地球が大好きだよ…だから、彼等と一緒に戻ってきた」

「彼は、テラに重なる周波数帯の位置を熟知しています。これを元に、私達は調査をしています」

猫沢さんは、アストロ.ニャーが、作成した周波数帯マップを広げました。

「なんと、地球人が、感知出来ない領域まで描いてある…あ、アガルタの場所まで!凄いな…」

寅次郎博士と門田さんは、老眼鏡をかけ、食い入るように覗き込みました。

「地球上で生身の人間が感知出来る領域は、非常に狭い…稀に感知出来る人間もいるが、無意識に行き来している時もあれば、混乱してコントロールを失い、精神崩壊する者もいる…もしくは、向こう側の存在に脳をハッキングされてしまう…君は、これらを全て見てきたのかい!?」

寅次郎博士は、驚いています。元地球猫が見てきた、様々な周波数帯の世界…

「うん。不思議な力を手に入れた時、コントロールする力を、ネコマスターが教えてくれたよ」

「ネコマスター?」

寅次郎博士は、一瞬、仙人のようなネコの姿を想像しました。

「地球猫の親分みたいな者だよ」

「彼には会えるのかい?」

寅次郎博士は、好奇心に胸踊りました。

「会えると思う…けど、どこに居るか分からない…」

そう言うと、アストロ.ニャーは、残りの蕎麦をペロッと、美味しそうに平らげました。

皆、蕎麦をすっかり食べ終わると、寅次郎博士と、猫沢さんは、調査記録等をテーブルに広げ始めます。

いよいよ、これから、会議です。

「ここに、みちたろさが居てくれたらな…」

門田さんは、寂しそうに言うと、

「神楽師匠が、残してくれた記録と猫達の協力がある。なんとかなるさ」

寅次郎博士は、何十冊にも及ぶノートを、ポンポンと叩きました。

「時空が歪んでいなければ、覚醒した3人が集まれる予定だったな…ははは、イレギュラーはつきもんだな…」

門田さんは、ため息混じりに笑っていました。


「カルカナル磁場の影響は、凄まじいのですね…」

猫沢さんは、かつて星の猫達を守った巨木のペンダントを見つめながら言いました。

そして[橋渡しの民]達の、任務の過酷さを感じ、寅次郎博士が、カンタスラーナ任務[猫居寅之助]時代の頃の話を、思い出していました。

「さて、これから、会議をはじめよう」

[つづく]

 2016年6月24日から7月6日の2週間、東京 高円寺、猫の額さんにて行われました個展が、無事に終了しました。

また、来年の同じ時期に、猫の額さんにて個展開催が決定しました󾬄よろしくお願いいたします󾠓

(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。

東京.高円寺[猫の額]さんでの個展とブログ小説の連動型で、お楽しみいただけます。


猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)

※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)

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個展連動SF猫物語[幻想の魚の秘密]シリーズ

東京 高円寺 猫雑貨&ぎゃらりー猫の額さんで、展開している。オリジナルSF猫物語を更新しています。

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