星を繋ぐ猫達 《第8章21 呼んでるベル》
暑い日がつづきます。熱中症対策はしてますか?この暑さです。水分補給の他に、塩分も補給しましょう。
汗などで失われる、体のミネラルは、天然のお塩がおすすめです。その他に、梅干しや、お味噌汁も夏バテ防止に役立ちます。気を付けてお過ごしください。
では、続きをお楽しみください。
画像は、久しぶりの描き下ろしスケッチです。寅次郎博士です。
(使用画材ボールペン)
《第8章21 呼んでるベル》
「[諦めようとした矢先、大きな問題が起きた。昔、人間に近い姿の者が、人間との合の子を誕生させていた事が判明する。大問題であったが、僅かな、つてを使い、合の子に望みを託した]………」
「合の子!?」
調査隊達は、一斉に、千寿氏を見ました。
「わ、私は、違うよ!この子は、もう居ない…」
千寿氏は、慌てます。
「知ってるのか?」
「知ってるが、もう地球には居ない…」
「そうなのか…会ってみたかったな…」
調査隊達は、少しガッカリした様子です。
「…私は、偶然、知り合った、合の子の合の子である子孫から、手紙を受け取り、調査の為に、ここに越してきたんだ…」
千寿氏は、ごまかします。
「そうだったのか…金塊に目が眩んだ人間達が、鬼伝説に仕立てて正当化させてしまったんだな…その人間達の子孫達が、ここに住んでいる…」
調査隊のリーダーは、一瞬、考え込んでしまいました。
「この村は、ほとんど、移住組で、昔から住んでいる人は少ない…それに、ほとんど真実を知らないだろう…」
一緒に、話を聞いていた、神城村の村長が、静かに、話しかけます。
「私も移住者です。父親の代で、この地にやってきました。父、未知太郎が、この村に移住してきた頃…限界集落になっていたと…昔は、金の採掘場として、相当、栄えていたが、採掘しつくして去っていった、当時、数軒しか残ってなかったと…父は、荒れた田畑を耕し、自給自足で暮らし、蕎麦屋を営み始めた頃から、移住者達が増え、今のようになったが、あの頃は、ひどい状態だったと聞いています…。開村をしたと言われる直系の子孫は…もう、3軒くらいしかない…」
3軒のうちの1軒は、松方さんです。
村長は、神楽未知太郎の息子。孫にあたる火水斗が、蕎麦の神楽屋を引き継ぎ、寅次郎博士は、未知太郎の意思を引き継いでいます。
「直系の子孫達は、彼等の事を、まことの鬼だと信じて生きてきた。彼等の先祖達が、最初に建てた、あの神社は…?あ!ちょっと席を外します」
村長は、ハッと、何かを思い出したのか、神社に行くと言葉を残し、行ってしまいました。
「今も…カミシロ族の生き残り達は、この地下シェルターにいる」
千寿氏は、地面を指差しながら、
「なぜ、反撃しなかったんだ?呪術がゆるんで地上に出た時に、人間達に復讐出来たんじゃ?」
調査隊達は、口々に言います。
「彼等には、私達のような、戦いや争いに価値を見出だしていない、既に意味のない事と知っている。救済の時を、信じて静かに待っているんだ…間もなく彼等は、星に還る。良かったら、一緒に見送ってくれないか?」
調査隊達は、目を輝かせてうなずきました。
千寿氏は、安堵の表情です。
すると、蓬莱氏が…
「さっき言ってた[橋渡しの民カミオン]は、どうなったんだ?」
「最初の[橋渡しの民]は、記憶を取り戻せないまま、天寿をまっとうし、この世を去った…幸い、後任の仲間が彼等の救済の為に、水面下で動いている。蓬莱、あんたは、彼等を知ってるのか?」
千寿氏は、不思議そうに訪ねました。
「あぁ、研究所に一人いる」
「!?」
「私が、重度のUFOマニアと知って、突然「[橋渡しの民]を知らないか?仲間を探している」と、こっそり打ち明けてくれたんだが…私は、あいにく知らないし、仲間ではない。と答えたんだ…。この村に彼の仲間とやらが、いるのなら、そいつに知らせてやりたいんだが…?いいか?」
蓬莱氏は、スマホを取り出しました。
「ちょっと待ってくれ!コンタクト可能か聞いてみる」
千寿氏は、寅次郎博士に連絡を入れると、間もなく「コンタクト可能」との答えが返ってきました。
その頃、寅次郎博士は、珍しい事は重なるものだな。と思いながら、大広間にいるイクサフィーゴ達に語りかけました。
「…もしかして[橋渡しの民]達を、呼んでいるのは…君達なのか?」
イクサフィーゴは、まばゆい光を放ちました。
[つづく]
(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)
2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
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