星を繋ぐ猫達 《第9章⑥ 遥か遠く昔の…》
すっかり寒くなりました。日に日に気温が下がり、初雪もちらほら、いかがお過ごしでしょうか?
10月に、北鎌倉古民家ミュージアムで開催された「招き猫100人展」に、出展させていただいた作品「百喜夜光☆ひゃっきやこう☆」が、会期中、売約済みとなり、ご縁のある方の元に行きました。ありがたいことです。
大型作品が、売れる事は、滅多にないことで、売れた。と、聞いた時は驚きました。ありがとうございます。
この作品は、たいへん縁起の良いものです。[百の喜び夜空に光輝く。皆に幸せが降り注ぐように…]と、描いた作品。
画像は、瀬戸市の会場で展示された時のものです。
猫沢さん達も、ちゃっかりいますよ♪
そして、そして、お待たせしました。物語の続きをお楽しみください。
《第9章⑥ 遥か遠く昔の…》
海底都市ナタトリア
そこは、不思議な空間、通常の狭き周波数の中で生存する、人間の網膜には映らない。人には、ただの瓦礫と化した残骸達が、墓石のように海底で佇んでいるようにしか見えない…
そこに、重なるように存在する別次元に、都市は存在する。
ツジンシと、ミスマは、黄金の幾何学模様の正装で現れ、この世の者とは思えぬ神々しさを纏っていました。
幾何学模様の建築物が、建ち並ぶ景色
何かに似ています。猫達は、既視感を抱きつつ、案内された場所に辿り着きました。
「あ!」
そこにあるのは、猫の星の象徴的な物と、よく似た光景でした。
「これは…!?」
大きな水槽のような建物の中に、泳ぐ、巨大な魚達…!
「イクサフィーゴだ!」
猫達は、口々に叫びました。
「よく、ご存知ですね」
ツジンシが、驚いた表情で、猫達を見ました。
「はい、彼等は、星のシンボルです!私達を救ってくれました!」
猫沢さんは、キラキラと輝いた表情で、答えました。他の猫達もウルウルしています。
「彼等は戦士。宇宙に点在する生命体…同胞達を護る者…」
「戦士?」
猫達は、優雅に泳ぐ、イクサフィーゴ達を眺めていました。
「そうです。とても勇敢な戦士です。彼等は、コネコピアの民と一緒だったのですか?」
ツジンシは、不思議そうに質問します。
「いいえ。私達の星「カンタスカラーナ」は、故郷を追われ集まった移民の星。私は、遥か昔の亡き惑星リラを故郷とする民族の末裔。昔、その血を引く者が、イクサフィーゴを引き連れ、星の危機を救いました」
猫沢さんは、静かに答えました。彼は[東の猫の民]親友の猫伊豹之助と同じ民族です。つまり…かの虎之助博士(現在の寅次郎博士)もです。
「あぁ…リラは…遥か昔の、私達の故郷。宇宙に散らばる仲間達に再び出会えた事に、感謝致します…」
そう言うと、ミスマは、静かに頬を伝う涙を見せまいと、扇で顔を覆いました。
なんと、不思議な廻り合わせ
猫沢さんは、心配そうに、寅次郎博士を見ると、たいへん疲れている事に気づきました。それもそのはず、この世界の領域は、生身の人間が姿を保つことは、とても難しいのです。大きなエネルギーが必要なのです。覚醒したと言えども、齢70年と言う[時間の概念]が、邪魔をしているのです。
猫達は、寅次郎博士に、そっとニャンタンを渡すと、みるみる顔色が良くなり、ホッとした顔つきで、もう大丈夫。と言うジェスチャーを送りました。
それに気づいた、ミスマは、彼を休ませようと、皆を歓迎の席に案内しました。
寅次郎博士の過去の中に存在する[プラナダの民]滅びの道を選び、方々に散らばった民族。[橋渡しの民]として、イクサフィーゴと行動を共にする彼は、一体、何者なのか…?
謎は、深まるばかり…
[つづく]
(※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】架空のSF物語を展開中です。
物語と共に、登場猫達の紹介や、作者と猫達との交流を中心に発表しています。
そんな楽しい猫の星の世界観第5弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました(^O^)
2019年の7月、幻想の魚の秘密.第6弾を展示決定!お楽しみです。
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
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