大肉球曼荼羅《第1章⑧レインボーロータス》

疫病騒動で、外出自粛中のさなか、こちらのブログにお越しいただきまして、ありがとうございます。どうぞ、ゆっくりしていってください。
 
2020年の6月19日(金)~7月1日(火)
東京、高円寺の猫の額さんにて、木元慶子さんとの二人展を開催いたします。現在、作品制作中です。
 
画像は、昨年の個展での作品、大きなロータスをテーブルにして、休憩する猫達を描いています。
水性顔料絵具を使用
 
では、続きを、お楽しみください。
 
《大肉球曼荼羅 第1章⑧レインボーロータス》
 
マンタに乗った猫沢さん達は、猫の星の長(おさ)カンタスカラーナシダーに会いに行く途中、美しい絶景を眺めたり、見た事もない大自然を目の当たりにし、感激していました。
 
ちなみに、イクサフィーゴを管理する猫居一族は、先祖の猫居虎之助(現在、地球に転生し[橋渡しの民]として活躍する、風天寅次郎(カザマトラジロウ)博士)の約束「深き森に、決して手を加えてはならぬ」を守り、星の半分を管理しています。
 
猫庭博士の祖父、猫庭十三郎博士は、虎之助博士の一番弟子であり、かつての深き森シェルターのリーダー、孫の猫庭楓博士は、後継者であり森の長に唯一認められた猫、言わば「森の番人」当時のシェルターを縮小した小さな居住区内で生活しています。
 
深き森シェルターは、過去に起きた「カルカナル.ショック」で、恐怖の奈落に陥れられた猫達を匿った場所…万が一、今回の「カルカナルの目(芽)」が、成長し、再び、猫達を襲う事態になった時は、いつでも受け入れられるように、猫庭博士達は、スタンバイしているのです。
 
「空ちゃん、風ちゃん、あそこで休憩しましょう!」
 
気がつけば、既に昼、猫庭博士は、無邪気に昔の呼び名で声かけます。
マンタは、ゆっくりと旋回しながら降りていくと、そこには、大きな池があり、ピンクロータスの群生が、猫達を出迎えました。地球のロータスよりも数倍大きな花弁を広げています。
 
マンタ達は、レインボーに輝く美しいロータスを見つけると、猫達を下ろします。
 
「なんて大きなロータス…我が星の花…」
 
猫沢さんは、猫の星のシンボルフラワーの群生を見渡し、感動していました。
 
「この花達は、テラのロータス達とも繋がっています。植物達に距離の概念はありません」
 
猫庭博士は、花びらに、ソッと耳を澄ませ、微かに聞こえる声を拾います。
しばらくすると、一瞬だけ、悲しげな表情を見せたかと思うと、再び、安堵の表情になり、花びらから離れました。
 
「猫庭博士…どうしたんですか?」
「2018年のテラのロータス達の信号を拾いました…小さな分岐点Bを選択したと…」
「分岐点B…これは吉なのか?」
「どちらでしょうか…テラは、小刻みに分岐点の存在をテラビト達に知らせていますが…届ききれてないと…」
「まだ、テラの声が聞こえていないのか…?猫庭博士、私達がコンタクトを取ったサンプル1号Aのいる世界線の2020年のロータスにチャンネルを合わせられませんか?」
 
何かをキャッチした猫沢さん、2020年のテラに合わせようとする猫庭博士
 
「…………」
「猫庭博士、どうしました?」
「…説明しがたい事態になっています…」
「では、もう一方のコンタクトを取ったサンプル1号Bの2020年は?」
「…分岐点A…こちらも…とんでもない事態になっています…」
「え??どちらの分岐を通過しても、ですか…?」
 
猫沢さんは、溜め息をつきました。
 
「安心してください。これは、私達の世界線のテラとのコンタクトしている一部分です。決して、どちらのテラも間違えて進んでいる訳ではありません。ただ、目に写る現象が異なるのです」
「分かっている…私達と接触のない他のテラとは、意識レベルが異なる…しかし…どちらの道も険しく映るのか…」
 
二人の会話は、地球人の作者には、チンプンカンプンに思えたのですが、文章に起こすしかありませんでした。分岐点AとB??サンプル1号B?もう一人の作者の事でしょうか?それともサンプル1号Aが…???意識レベルが異なるテラ?頭が混乱しそうです。
 
「あそこのロータスが、テーブルにピッタリです、あちらに行きましょう」
 
猫庭博士は、ひょいっと隣のロータスに跳び移ると後に続きました。
「ここで休憩しましょう」
彼等は、お弁当を広げ始めました。
 
「空(くう)…そりゃぁいったいなんだ?」
「これ?寅次郎博士からのお土産、兄さんも食べる?」
そう言って、風さんに、数粒分けてあげました。
 
「んまい!!!懐かしい味がする!!!」
「ニャロリーメイトの進化バージョンだよ。小さくてかわいいだろ?皆で食べよう♪」
 
猫沢さんは、風さんの肉球にザラザラと注ぎ終わると、次に取り出したオニャギリを、二人の肉球に渡しました。
 
困った顔の風さんは、肉球にメガ盛られたニャロリーメイトDXを、中央に置いた包み紙に移し、オニャギリを受け取ると、大きなパニャーンを取り出し、持ってきたナイフで3等分に切り分け、二人に分けました。
猫庭博士は、人数分こしらえておいた、スーブニールと言う豆で作ったスープを耐熱カップに注ぎます。
 
ロータス達は、そよ風に吹かれながら見守り、猫達の耳には、植物達が微かなハミングを奏でているのが聴こえてるのか、穏やかな表情
 
「さて、そろそろ行きましょうか?」
「ああ」
 
長い道のりを、猫達は進みます。
 
[つづく]
 
  (※このブログでは、ブログ小説【猫沢さん作品[幻想の魚の秘密]】SF物語を展開中です。
 
そんな楽しい猫の星の世界観第6弾を、東京.高円寺[猫の額]さんでの個展にて発表いたしました。
2020年は、初の二人展です。
 
猫沢さん作品の挿絵のポストカードは[猫の額]さんでも購入出来ますよ(^O^)
 
※この猫物語は、私の好きなミュージシャン平沢進氏の楽曲をBGMに流しながら浮かんだインスピレーションを元に綴り上げる実験的SF物語制作の一環です)
 
(※ このblog内の画像や文章を無断で転載等をする事は、ご遠慮下さい)   
 
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個展連動SF猫物語[幻想の魚の秘密]シリーズ

東京 高円寺 猫雑貨&ぎゃらりー猫の額さんで、展開している。オリジナルSF猫物語を更新しています。

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